全然分からなかったそうな
最近妻がウォーキングを始めた。
その影響で、長男くんの迎えにも彼女がちょくちょく行くようになった。
今週の理科からの帰り道、どうやら長男くんがしょんぼり顔だったそうで…?
意味不明な電気
帰って来ての開口一番で、「今日の理科は全然分からなかった」と聞いた。
パパ教えられる?って。
妻も若干不安そうだ。
分からないって言ったって、理科は今回から物理、しかも電気でしょ?
お前らパパの中学のときのあだ名、なんだか知ってんの?
時代を先取りしすぎた、「鳴柱」だぞ?
教えられないわけないじゃん。
長男くんがお風呂に入っているときに、「全然分からなくてしょぼんとしていたから、やさしく教えてあげてね」と妻。
あぁ、お前の不安はそっちか。
まぁ、見えるままの天体と違って、目では見えない世界だからな。
太陽が西から昇るだの、北の空の星が時計周りに回るだの、南を向いたときの左手が西だのと言われると、「今さら!?」ってカッとなってしまうけれど。
正直、昨今はゲームでだって現実と同じく天体が動いているというのに、そのレベルの話をなぜ間違えることがあるのか、ちいとも分からない。
まぁ、そんな天体と違って、電気ははじめに感触が掴めないとキツイだろう。
濃度のときみたいに言い返してこなければ、ニュートラルに教えるよ。
長男くんと反抗期
帝王に逃走はない
コレは無理
ということでお風呂から上がってきた長男くんから質問を受ける。
お?今からやんのか?
まぁいいけど。
日能研の授業っていうのは大体難しいし、全然分からないっていうのも最近は減っただけで前はよくあっただろ?
だからこそ面白いじゃあないか。
出来るようになったときには。
そんで、何が分からなかった?何もかもがさっぱり、か?
「先生が9パターン覚えれば絶対平気って言ってたんだけど、全然覚えられないんだよ!」
ん?
なにそれ?
パパの知らない電気の話だな。
なんの9パターンだ?
「よく分かんないけど、コレ」
…え?回路?
電池と抵抗のつなぎ方で、1個ずつの1通りに加えて、それぞれが1個か2個、2個のときは直列か並列化があって、全部で8パターンになるのか。
それで、9パターン?
…え?コレ、覚えろって?
先生が?マジで?
「うん、覚え方が分からなかった!」
…パパも、コレは知らないな。
「それで、豆電球が明るくなったり暗くなったり、電池が早く切れたり」
これで!?そこまで覚えろと!?
いやいや、それは惑わせに来ているっしょ。
それ、1ヶ月単位では覚えてられないよね。
…えーと、まず、豆電球の明るさとか、電池の持ちとかは、電力で決まるでしょ?
「電、りょく…?」
おぉ、すまんすまん。たしかに電力はやらないんだったな。
えーと、電流と電圧を掛け算した値で決まるでしょ?
「電、りゅう…?」
そっちもかよ!
で、電流電圧は次の単元で比例をやるはずなのに、今回、やってないの?
「なんかやったけど分からなかった!」
…OK、分かった。
今から全部やるのはちょっと辛いから、まず今日は電流と電圧だけ理解しろ。
明日、残り教えてやるから。
とりあえず、電圧っていうのは電池の強さ、電流っていうのは流れる電子の量だ。
まず第一に、この2つは全く別の量だ。
mとgくらいに違うぞ。
よく電圧っていうのは高低差、電流っていうのは水の量で例えられるな。
で、その電圧を使うのが抵抗っていうか、豆電球。
水車みたいな感じかねぇ。
あと、回路は一周すると絶対に同じ高さに戻るんだ。
つまり、電圧が0Vのところから始めたら、電池で上がって、抵抗で下がって、結局0Vに戻るってことだな。
オームの法則と電力
改めて栄冠を確認して準備すると、てっきりオームの法則をやると思ったんだけど、なんか用語は出てこないんだな。
次回も電圧と電流が比例するっている関係だけなのか。
だとすると、日能研のカリキュラムに則って、教えないのが私の基本方針なんだけど…。
いや、それにしても、9パターン覚えろ、は乱暴すぎない?
そのサイエンスは、エレガントじゃないでしょ。
えーと?
ここで覚えなきゃいけないことを整理すると。
1.電流と電圧の定義
2.並列回路の電圧
3.直列回路の電圧
4.オームの法則
5.電流
6.電力の計算方法
か。
1はすでにクリア。
2はたしかスパイラル前にもやったし、並列回路には全部同じ電圧がかかるというだけ。
3は、豆電球2つにかかる電圧となると、合成抵抗になっちまうが、それは辛いな。
どうせ同じものを使うだけなんだろうし…。
電池の強さを1Vにして、イメージ的には2個平等に電圧がかかるから0.5Vずつ、でいいか。
4も、電池を1V、抵抗を1Ωにすれば、今の長男くんなら電流の計算はできるだろ。
実際1Ωって抵抗としては弱いけど、それなら、円の面積の公式の方がよっぽど計算が難しいはずだ。
5は、水の流れ、流れるプールにでも例えれば、直列回路じゃどこも変わらないし、並列回路じゃ和が等しいままっていうのは分かるだろ。
6は、電力=電流×電圧ってだけ。
豆電球はそれが大きければ光が強いし、電池は早く減るってこと。
パワーをいっぱい使うってことだからな。
レッドホットチリペッパーみたいに電気も減っていくわけだし。
6個となるとちょっと多い気はするけど、これで、9パターンの元になる法則の方を理解できるだろう。
合成抵抗はちょっと略しているけど、別に嘘をついているわけではないし。
とりあえずこれでやってみて、あとは適宜流れるプールなりで例えたり、実際に計算してみたりするか。
あー、あとは、並列・直列につないだときの、結論も教えておかないとな。
リベンジ
ということで迎えた本来の復習日、さぁやっていこうか。
準備した内容を説明していくと、さくさく理解していく。
おぉ、成長したな…。
一点、電気回路において1周回ると電圧、というか電位が元に戻る、というのが理解できなかったようだ。
ウォータースライダーで言えば、電池はエレベータか階段、そこから昇ったら、同じ分だけ落下して地面に戻ってくるでしょ。
「そうじゃなくて、もっと、電気的な話が聞きたい。」
あー、それは、たしか、キルヒホッフの第二?法則だっけ?っていう定理があるんだけど。
あれ、アレってなんで成り立つんだっけ?
定理としてしか用いなかった気がする。
とりあえず、「そうなるのが電気回路」って理解してしまうのがいいとは思うけどな。
仮に1ループごとに電圧がゼロに戻らない、つまり、その場所の電位が高くなってしまうのであれば、ループは止まらないから際限なくそこの電位が高くなるわけか。
で、いずれ周囲との絶縁が破れたところでショートする、かな。
うーん、すまん、法則はあるのだけれど、その法則がなぜ成り立つのかは、高校物理で電気回路をやったパパでもよく分からん。
まぁ、そういう、問題設定としては当たり前なものに対しても、疑問っていろいろ出て来てよく分からなくなるよな。
電気は目には見えないんだし。
あとは導線と豆電球が並列だったら、導線の方にだけ電流が流れる、っていうのがイマイチ気づきにくいらしい。
まぁ、回路図見ながら、しばらく考えてみ。
とりあえず、帰ってきたときよりかは、はるかに理解できただろうさ。
どうして先生がここまで教えないのかは分からないけれど、実質的なオームの法則は来週習うし、魔法ワザを見た感じ、どうせいずれ合成抵抗は解けるようにならなきゃいけないから、この勉強方法でいいと思うぞ。
過去からの刺客
そして栄冠最後の問題。
回路をいろいろ繋ぎ変える。
これ、たしかスパイラル前にもあったな。
どうやって教えたんだっけ、と思って振り返ってみたら、どうやら「スパイラル後にやればいっか」だったらしい。
よくねぇよ!責任もって教えておけよ、鳴柱!!
長男くんと豆電球
実験器具も準備済
時間がかかるんだけどな。
わかった、と進める長男くん。
おぉ、明らかに去年より速い。図も合っている。
成長、したなぁ…。
そして後半、どこかとどこかを繋いだときに何が起こるかは分かっているから元の回路がどんなか、というのはだな。
ポイントは、×と◎のところだ。
×になるのは、回路ができない、あるいは、電池の接続が逆、なんだろう。
それと併せて、◎のやつは、電池が直列で、かつ、回路に1個しか豆電球がない、という状態だ。
この問題だと、豆電球は一緒に繋ぎ変えていくわけだから、これが光らないと◎にならない。
ということで、◎のところで電池が直列になり、×のところで電池が逆に接続、ということを考えると、ある程度絞り込めるんじゃないか?
これまた、わかった、と進める長男くん。
おぉ、こんな説明でやる気になるとは。
ガッツが出て来たなぁ。
でも惜しい、始めの仮定が違っていたから答えには至らなかったな。
けど、そうやって試していく問題なんだと思うぞ。
まだマスターとはいかないけど、今回のスパイラルで理解できそうかな。
やったぞ、一年前のオレ。
長男くんはついにこの問題を解けるようになりそうだ。
スパイラル待ちも時には有効だなー。
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