パパとママの思惑

2022年6月30日木曜日

志望校選び 勉強方法

トップを目指せ

私と妻が「なんとなくこの辺かなぁ」と春頃に探していた志望校。

じゃあオレはどうにか成績をキープさせるようにするからー、
お前の方は一緒に色々な学校回って良さげなところ見つけてくれー、
でもなんかどこも楽しそうだよねー、
なんてキャッキャウフフとしていた時期がありました。

そんなふざけた幻想をぶち殺すがごとく、長男くんの突然の決意表明。

ボク聖光行きたい

いつだったかの休みの日の朝一にそんなことを宣言された。

あぁ、文化祭で行ったけど今度説明会も行く?体育祭もイケるのかな?
山手駅からの坂はきつかったけど、真夏じゃなけりゃ辛くはないかなー。

…え、そういう意味じゃなくて?
マジで?

目指すってこと?

でも、文化祭行ったとはいえ、実験見て、綿あめ食って、ちょっとゲームしたくらいじゃん。
遅くに行ったから込んでたし、雨降りだしで全然回れなかったし。
どこまで本気かは分からないし、おそらく「目指す」という言葉の意味も理解はしていないのだろうけど。

うーむ、これは、中受に限らず、私の子育ての根幹に関わる問題だ。
「健康で元気に」というのは大前提として、「出来ないかもしれない高い目標に対してでも頑張れる人間になるように」というのが、息子達が産まれたときに願ったこと。

私が無理だと強く言い切れば諦めるだろうけど、今の成績を理由にここで諦めさせたら、これまでの子育て全ての否定、か。
いつだったか、翼の翼を読んだときだっけ?
「たとえ成績が下がって、長男くんがどんな状況になっていても、そのときにこなせる勉強方法を私は考え続けるだろう」と思ってはいたけど、まさかこんなことになるとは。

親の気持ち

というわけで、彼が志望を変えるまでは、私は対聖光への勉強を考え続けようと思う。

てっきり、この前のテストのときの聖光への目標点を聞いて、ビビるかと思ったのだけど。
まだ、そのつもりのようだ。
やる気を出させるような言い方はしたけど、本気であの点数取るって、4回の攻撃中で会心の一撃2回出して、残りの2回もミスしちゃいけないんだよ?

それに私の方の問題もある。
社会を除けば、私自身は入試問題が解けたとはいえ、それを指導に繋げられるかは別問題な次元の難易度だった。
多分に荷の方が勝ちすぎている気がする。

パターン問題でなら解法を読んで意図を汲んで教えるのは出来ても、それ以上の応用問題を確実に解いていけるようにというのは、どう教えたらいいのかよくわからない。
日能研とも教え方が合うのかも分からないし、そんなレベルで勉強方法を考えたのは、被験者が自分しかいない。

あぁ、「18歳と12歳の受験は違う」とかいう言葉が脳裏をよぎってしまう。
せっかく「R4偏差値60の学校なら栄冠徹底で良さそうだ」って判断したばっかりなのに。
結局、またリサーチしながらやっていくしかないのか。

まぁ、その勉強方法がどういう内容になるにしても、前より密度や長さは増すだろう。
今よりも成績を上げることを目的としているのだから、上手くいけば、これまでの熱望校に対しては余裕が出るはず。
科目が違う、というわけではないんだから。

上手くいけば。
とはいえ、栄冠をおろそかにする気はないから、崩れる、という可能性は減る気もする。

ということで、聖光志望は妻も納得している。
私達夫婦の熱望校にはより近づくだろう、という意味で。

ただ、妻は、聖光は無理だろうと思っているように感じる。
なので、隙あらば夏休みの予定を立てようとしている。

もう、旅行の予定を入れたでしょ。
アレが受験前最後よ。

正直私も無理目かなと思ってしまいたい気があるから気持ちは分かるけど、作戦立案する人間がハナから諦めているのは、よろしくないだろう。
二人三脚でがんばっているつもりなのに、一本半の足がやる気ないとかありえない。
まぁ、とはいえ、「頑張るだけ頑張ってみて、結果的に私達夫婦の熱望校に入れればそれでいいや」くらいに思っているのも否定できない。

親はまだそんな風な気楽さだけど、もしこのまま続けていくなら、きっと見ている側は辛くなるだろうな。

なにせ、本人はトップを目指して毎日勉強するのだろうから。
そうなれば、どうにか届いて欲しいと思い始めてしまうかもしれない。

出来る限り、私達夫婦は、今の熱望校を熱望しているままでいたい。
親は変なプレッシャーを感じることなく、「目指しているだけですごい!」とだけ思っていられるように。

こんなとき、私の親はどんな気持ちだったのだろうか。

私は、高校受験のときは、持ち点からすれば無謀とも言えるところを志望して、学校と揉めたりもしたものの結局は受かった。
大学受験のときは、1年目は志望校以外には受かったけど浪人して、2年目は志望校に受かった。

特に大受の方は、端から見れば明らかに無謀な志望校だったと思う。
県下有数の進学校(自称)とやらの公立高校からは、年に0~2人程度の進学実績だったから。
まぁ、私は予備校でしか勉強していなかったから、高校の進学実績は関係ないと思っていたけど。

浪人したいと言ったときは、ずいぶん親から確認されたのを覚えている。
今思えば、浪人したところで2年目の受験で成果を出せると決まったわけではない、ましてや大失敗に終わるかもしれないのだから、そのことを心配していたのだろうか。
1年目に受かった学校だって、世間の評価的にはまぁまぁ立派と言っていいところだったのだし。

息子は今だって十分に頑張っている、このままの頑張りでだって、両親ともに熱望するほどの十分に良い学校に行けそうだ。
でも、本人はもっと頑張りたいと言っている。

自分のときの決断はあんなに気楽だったのに。
望んでいたはずの光景を見るのが、こんなに辛くなりそうなことだったなんて。
子どもにトップを目指させるようにするには、なによりも親の気持ち、決心の方が必要らしい。

まぁ、本人は難しい問題を深く解くのも楽しそうなのが救いかな。
志望校がどうだの成績がどうだの言ったって、勉強なんて結局目の前の問題に集中して解いていくだけ、なのかもしれない。

…解く側は。
考える側は、そうはいかないのだけれど。

さて、一体どんな問題をどう解けばいいんだ?
長男くんの前で悩むわけにはいかないしなぁ。