パパの2月1日

2024年2月5日月曜日

入試

静かな長男くん

入試が始まって、夜の受験発表前に気の紛らわしで始めた、長男くん視点の日記。
書いてみると、意外と面白かった。

もっとも、彼の考えていたこととかは、結局私の視点からの解釈での話だけど。
ときに斜め上を超えてくる彼の心情を正しく読み取れたのかは怪しいところ。


さてさて、その時いったい、私側の視点では何が起こっていたのか。

いずれ来る、二男くんのときのために、書き記してみよう。

起床、出発

5時半に起床。
今日は午前と午後のダブルヘッダー。

午後校が2月の受験で一番先に結果が出る学校。
午前校は明日発表。

この2校の結果は、その後の出願を左右するという点で重要。
難易度としては、どちらも今の長男くんには高くはないと踏んでいる。

我が家の併願的には、チャレンジ校の1つだけ対策がかなり必要で、そこをクリアできるなら他の学校への特別な対策はあまりない、だろうという選び方。

今日の分は、「受験中に体調不良で途中退室」といったアクシデントがなければ、問題ないのでは…。

長男くんは、得点のパターン上、自分から見て簡単な問題でのミスは滅多にしないから。
(代わりに、習ったことのない類いの問題には、大体解けないという結果で安定だけれど)

これが甘い見込みだとすると、ちょっと困ったことになるだろうな…。

なので、「昨晩はトイレに行けた」と聞いたのに、朝になってまた若干体調が悪そうなのが、ものすっごく気がかり。

朝ごはんを食べた後もさっそくトイレに行っている。

コレ、ヤバくない?
そもそも、移動できる?
午前午後の試験日程は、まず体力的にもかなりハードだし。

でも、深刻にならないように聞かないと。
私の不安が伝染してしまうだろう。

おー、出てきたか、どう?朝から快便?

「…ちょっと、不安かな…」

うわー、マジか!
とりあえず、下痢止めの薬を飲ませる。
ウソ情報でもプラシーボになってくれ。

この薬はパパも大人版を大事な会議のときとかに飲むけど、腹痛とかはピタッと止まって不安もなくなるからね。
少し待てば効いてくるから。
出発にも十分、間に合うよ。

すると、少し安心したようだ。
大丈夫かな…?

様子を伺いながら身支度をして出発すると、外はもうだいぶ明るい。
今日は、2月のわりにかなりあたたくなるらしい。
余計なことを考えないように、不安にならないように、さっそく考えていた話題で話し掛ける。



ねぇねぇ、学校行くまでの道で、今日はう〇ちの話と、ち〇ち〇の話と、天気の話と、どれがいい?

ちらっと冷たい目で見られた後に、「好きに話している分には構わないけど、人がたくさんいるところでそういうことを大声では言わないで欲しい」とだけ伝えられる。

うおぉーい、どうした!
お前、普段そんな塩対応じゃねぇだろ!?

やっぱ体調イマイチなのか!?
それとも、緊張してんのか!?

下弦の月がきれいだから、関連してとりあえず話を適当に振る。
太陽の方角だとか、日の出の時間だとか。
お願いだから、とりあえず気を紛らわせて~。

移動中

電車の乗り換えもスムーズに行き、妻と相談していた予定通りの時間に到着できそうだ。
そんなに長く乗る路線ではないけれど、首尾よく長男くんと並んで座ることもできた。

と、もう少しで目的駅かというところで、お腹の調子が…。

なんだ?
たしかに、朝うっすらとした兆候はあった気がしたけど…。
自分のことがおろそかになっていたか?

ごめん、パパ、お腹痛い。

「…あと、数駅、我慢できそう?」

うぉーい、なんか、声がいつもより元気ないっていうか、冷たいんですけど!
目的地に近づいて、コレやっぱ緊張してない?
お腹痛いのはホントだけど、そんなことよりも、ちょっと色々話しかけておいた方がよさそう?

んー、五分五分。水に例えるとねー、融点よりは高いって感じ。固体ではないな。

「だから!電車の中でそういうことを言うなってば。Nバッグだって見かけているんだから」

お、ちょっと笑顔だ。
なるほど、緊張もありそうだけど、目立ちたくないって感じか。
声のボリュームは電車の音よりも落として、適当に話続けよう。
…しかし、コレ、私の方も気のせいじゃすまなそうだな。

目的地に着いて、トイレに行かないと。

「時間は平気かな?」

もう小6、一緒に個室に入れるわけなんかには当然行かないし、トイレ内で待たせるよりトイレ外のベンチがあるところで待たせた方がいいだろうけど、かといって慣れない駅で一人で放置は心細いか?

そっちはまだ、全然、大丈夫だから!
ベンチ座ってちょっと待ってて!

って、空いてない!
しょうがない、学校までは我慢できそうだし、このまま行っちゃおう!

「あれ、どうしたの?早くない?」

…なんとなく、元気がないなー。
頭使わずに突っ込みどころが多いようなことをしゃべって、少なくとも話が出来る程度にさせとこ。

空いてなかった…。やばいな、どうしよう。今日は、おむつ履いてないや。

「いつも履いてないでしょ?とりあえず、別れた後なら好きにしていいからトイレに行きなよ…」

うーん、やっぱり反応がちょっと元気ないな。

そのまま適当に場を繋いでしゃべり続け、改札を出ると、少し肌寒い。

「手が動くかな…」

そういうときは、手を動かすイメトレをするといいぜ。実際に動かしておきなよ。
こんな風に、ヘブンズドアーみたいな感じで、何か書くようにさ。

お、マネしてやっている。
じゃあ、ジェスチャーのクイズだな。

おしりを拭くような動かし方をしばらくしていると、しばらく不思議そうだったけど、思い当たったのだろう。
まだ人がまばらなのもあって、私から逃げるように少し駆け出していく。

こんなもの、ジェスチャーのクイズをしていると知りでもしていなきゃ、普通思い当たらないから大丈夫だよ。

うん、反応にも元気出て来たし、体が動かせるならお腹の心配も少ないだろうし、目も覚めているのだろうし、問題ないか?

その後も適当に話し掛けて様子を伺っていると、学校が見えてくる。

と急に長男くんが不吉なことを口走る。

「なんか急に緊張してきたかも。もしかしたら、この学校通うんだね」

あぁ、やっぱり。

そうだね、やっぱ前受とは違うよな。
「実際に通うのかも」と意識をしてしまったら、緊張しちゃうよね。

でも、その緊張の仕方は、良くない。
テスト以外のことで、頭真っ白になる系だ。

無理やり会話の流れを引き戻す。

でも、緊張という点でいえば、さっきからパパの方が上だね。
次の波が来たら、もうヤバい。もたないぜ?

その情報を聞いても、まだ、「通うかも」と思えるか?
そんな、合格してから考えればいい未来を考えるよりも、目の前のパパを意識してケアしないと、強制的に通えなくなってしまうよ?

適当に、パパの気が紛れるように、今日の解き方の方針でももう一回教えてよ。
国語から、順番にさ。
…なんか嫌そうだけど、パパの気が紛れないと、この往来でとんでもないことになるかもよ?

と仕方なしに話している内容を聞いているウチに学校到着。

長男くんが、コブシを向けてくる。

お、なんか、カッコイイの覚えたな。

よし、行ってこい。

1回目の受験と移動

その後は探していた満喫へ移動。
まだ一日目なので、合否確認などはなし。

しっかり受けれているか気になってしまうけど、出来ることはないし、無理やり「葬送のフリーレン」を読んでおく。
あと、午後校への移動方法、交通状況の確認とか。
自分の携帯を使いすぎると充電が持たないから、お店の方のPCで。

午後校への移動はけっこうギリギリだ。
だから、ご飯は長男くんへの給仕に努めた方が良さそうだな。
ということで私は一足早く昼ご飯。

と、食べ終わってすぐに、腹痛が…。
?なんか急だな。
朝といい、そんなに体調が悪い感じもしないのに。
まぁ、今はトイレあるからいいけど、これからの移動中に飲食は控えた方が良さそうだ。

さて、迎えにいくかと学校に着いてしばらくすると、子ども達が出てくる。

あぁ、きっと、一人一人にここまでのドラマがあったんだろうなぁ。
そんな風に目を細めていると、目の前の長男くんから急に声を掛けられる。

?おかしいな。
そこまで集中を切った覚えはないのに。
そもそも、ここまで人が近づいてきていて、気がつかなかった?
一応は、長男くんを探すのを主にしていたはずなのに?

まぁ、そんなことを考えている余裕もない。
すぐに午後校へ移動開始。
すでにけっこう人が多いから、歩きスピードが遅くなる。
30分は余裕があるはずだけど、ちょっと焦るな。

と、長男くんが出来についての感想を述べてくる。

「順調な出来、算数も普通に出来たし」

そうか、よかったな。
でも、今日は次の試験があるし、振り返らずに次を考えた方がいいね。

子どものことだから不安がないわけではないけど、会った途端に泣き出すほどの失敗がなければ平気なはず…の学校。
話始めると気になっちゃうかもしれないし間違いに気づいてネガティブになるかもしれないから、頭の切り替えの方が優先。

「そんなに次も気を付けることは少なかったはずだと思う。明日の入試の方が少し緊張するかな」

…それはそれで頭を切り替えすぎだなぁ。
ずっと対策してきたんだし、どうしても意識しちゃうかもだけど。
ちょっと、無理やり話を逸らすか。

今から明日のことなんて考えていると、次に悪い影響があるかもしれないぜ?
どうせ、全て大学受験のための前受みたいなもんだろ?

なんか、あまり納得している風ではなかったけど、それ以上明日の学校に触れることもなかったから、良しとするか。

その後、とりあえず午後校への移動は問題なし。
ちょっと急いで1本先に乗れたりしたし。
結果、想定より30分早くなり、都合1時間余裕ができた。

乗り換え中の空いたところで、間食=おにぎり2個も完了。

よかったね。うまく乗り継ぎいって。

「でも、ちょっと遅いと遅れてたってことだよね…?こんな複雑な移動、一人じゃできないかも…」

いや、こういう移動をするのは今日だけだから。
通うとしても家からだから、乗り換えは必要だけど、もう少し単純だよ。
実際に通うことになったら、しっかり教えてあげるから平気。

…でも、覚えられるかな、この子?
朝もけっこう混む路線だし。

2回目の受験と帰宅

受験会場に送った後は、今度は学校の待合室で待機。
ちょっと疲れてきたので満喫まで移動する気になれなかった。

ボーっとしてみたりスマホ見たりしているうちに解散時間、なんだけど…。
ちょっと不満な点があった。

分散解散だったのだけれど、その仕切りが若干甘くて、長男くんを探すのに手間取ったのと、一部の引率の方がマスクをしていなくて…。
特に後者は、まだ2月1日なのだから、頼むからマスクをしていて欲しい。

こっちがナーバスになっているだけなのは分かるけど、この会場にいるのはみんな中学受験の関係者か経験者じゃんか。
2週間近く、家族全員で家からほぼ出ないで感染症の対策してきてるんよ。
これからの1週間弱のためだけに。

それから急いで帰ると、もうご飯時。
予想していたよりも、1,2時間遅くなってしまった。
1日に合格が欲しいと思って受験したけど、午後受験、ちょっと考え足りなかったかも。

帰り際に聞いた午後校の手ごたえは、ちょっと微妙らしい。
色々傾向が変わっていたとか。

まぁ、どうせ今晩には結果出ちゃうし、気にしなくていいよ。
その微妙が、ホントにちょっとなら、周りも同じ条件だからさほど影響もないさ。
結果は、明日の朝教えてあげる。

お風呂に入って、明日受験の学校の過去問を見直しさせて、以前からピックアップしていた問題を数問解かせて、もう寝かせよう。

と思っていると、昨日よりも緊張していて眠れないらしい。
1時間は床についているし、今日は疲れていないわけがないと思うんだけど…。

大丈夫。
ゆっくり、深呼吸を繰り返して。
もう寝ている、二男くんの呼吸に、合わせるように。
それで、体を動かさず、足先から、徐々に、少しずつ、力を、抜いていって。
そのまま、ずっと、呼吸だけを、意識して。
そうそう、呼吸、呼吸、吸って、吐いて、吸って、吐いて×∞。

とやっていると、数分で寝た。
疲れているだろうに、意味のない言葉に意識を無理やり集中させられて、しかもダラダラ短く切って話されたら、退屈な授業よろしく耐えられないよね。

赤ん坊のときから、寝かしつけはそれなりにやっていたっけ。
なつかしいな。

その後

寝かしつけをしてブログを書いていると発表時間。
まだ慣れない手つきで発表を確認すると、無事午後校に合格。

幸先のいいスタートだ。
とりあえずこれで、長男くん、春から私立中学生、確定だな。
出願方針が決定するのは、明日、午前校の結果が出てからだけど。

そして、その時間帯は、いよいよチャレンジ校の受験中。
ついに、この日が来るのか。

うーん、私の方が、寝付ける気がしないな。