パパと長男くんの受験前夜

2024年1月31日水曜日

生活 入試

何気ない一日

今日で1月も終わり。
明日は2024年の2月。

ついに来てしまった、受験の日。

とはいえ、出来ること、やることは変わりなく。

受験準備

1月最終日として、決めていた通りの勉強内容をこなす。

漢字、社会、理科、国語の文章題、算数。

理科だけ、やりそびれた過去問を1つ使った。
最近、というか1/20の市川での試験後、再現解答&振り返りをしていると、「どうやらリード文を読まないで解いているらしい」ということが発覚。

…またそんなキテレツな…。

それが原因で、ものすっごい簡単な読解問題を平気で落としていた。
そらぁ、根拠部分を読んですらいないんだから、そうもなりますわ。
ソレ、知識問じゃないよ?

過去問をこなしていた日々の中でも、イマイチ理科が目標点まであと2,3問というのが続いていたのも、それが原因だったのかもしれない。

ということで、追加の過去問をしたのだけれど、変に結果が悪くてショックを受けられても困る。

どうせ彼の良し悪しの判断は、私の言う平均点との比較。
その私が平均点を過小通知してしまえば、悪いことにはなるまい。

実際の結果は、多少杞憂で、合格者平均と受験者平均の間くらい。
理科の目標点だね。

でも、平均は少し下方修正して、「十分できたね」ということでみんなが気分良く終了。
幸せな世界。
ある程度、弱点は克服できた、かな?

その後は、晩ご飯を食べて、フィナーレは、クイズみたいな漢字や慣用句。
算数に想定外に時間がかかってしまったとき用の、半ば時間調整。
やいのやいのと言い合いながら、1月に予定していた勉強は全て完了。

明日の準備も、これまでの前受での経験・荷物セットで、親子ともに手慣れたもの。

それが終われば、本人は疲れていたようで、とっとと風呂入って寝た。
寝付いているかは確認していないけれど、とりあえず今も寝室で床についてはいる。

懸念だったトイレも夜に行けたようだし、子ども用のストッパも新規購入で準備済み。
こういう系統のお薬を常用するのはあまり体に良くなさそうだけれど(昔、私が正露丸を常用していたときお医者さんに言われた)、長くても1週間弱、問題ないだろう。

風邪の兆候もないし、コンディションは良さげで受けに行ける、かな?

最後の日

結局、長男くんは、12月頃から私が立てた無茶な学習計画をやり切った。

前受をしつつ、数年分の過去問振り返り、追加購入したファイナル難問テキストの数理、6年前期の理社栄冠、その他の教材などなど。

結果、年始のときに一緒に過去問を解いたときにはまだ私の方が出来るであろうと思っていたのに、そこからさらに駆け上がるように出来るようになっていった。

過去問がロクに残っていなかったから分からないけど、もし振り返り時の過去問の調子で本番も解けるなら、ひょっとするとひょっとする?と思えるくらいに。
いや、最近の過去問の初見では結構苦戦気味だから、やっぱりキツイ方ではあるだろうけど。

そんな出来も見て取れる中。

ちょっと前までは、1月31日という今日、これからの連戦に向けて、一声かけようかな、と考えていた。
たまには、マジメにね。

「ここまでひたむきに勉強を続けてきたキミにとっては、どこの学校に受かったとしても、もはや奇跡ではない」とか。


でも、結局やめた。

明日からの本番は、「いつも通り」「練習だと思って」を合言葉にテスト前に声掛けするんだというのに、変に締めたことを伝えるのは、単なる私の自己満足というヤツだろう。

気付かれない程度にいつもより少し気を遣いながら、何気ない一日として過ぎていくように、長男くんの中受の最後の伴走の日を終えた。

もうこれで、彼に一日中付き添って勉強を見るような日は、きっと来ない。

…中学以降で、よほど手当が必要にならなければね。

…それに、私にはまだもう一人、中受を控えた息子がいるんだけどね。

…コレ、もう一回おかわり?
しかも、2年後に?

…やべーな、中受。

3年間

長男くんが中学受験の勉強を始めてから3年間、どんなときも各単元の復習をサボらなかった。
日能研からのテキストは、配布された限り全ての問題をやりきった。

入試問題での出来はともかく、小学生の範囲での問題に対しては、算理社はもう私をも凌駕するだろう。
正しく問題を理解して、相応の解き方さえ実践できれば。
中学以降の知識・スキルでも解けるのであれば、まだ私の方にも軍配が上がる可能性があるものの。

ちょうど3年前、新4年生として入塾した長男くん。
入塾を決める前にも軽くは読んだけれど、通塾前に一通りテキストに目を通したことを思いだす。

たかが足し算の分解から始まり、掛け算や割り算の筆算といった学校での勉強の延長。
「文章に慣れよう」程度にしか思えなかった国語。
私の知らない内容ではあったけれど、社会も理科も5分程度で終わりそうな各単元。

授業でそれなりに理解してくるのだろうし、なんなら公文の宿題よりも速く終わるんじゃないか、とさえ思っていたほど、のほほんと構えていた。

蓋を開けてみれば、その4年生の学び直し1から躓いていた子が。
3年前、何度説明をしても筆算や逆算が理解できなかったくらいの幼かった息子が。
「大問が1個行方不明になった」と衝撃的な空白欄を見せつけてきた息子が。

それからたった3年後の今、難解な入試問題に対して、40歳を超えた私とも競えるような領域にまでたどり着いた。
解答を読んで説明するだけなら出来るものの、おそらくもう私には解けないレベルの問題にも取り組んでいる。

それだけの努力をしてきたのだろう。
全く分からなくても、投げ出さずに泣きながらでも勉強してきたのも知っている。

1歩1歩、望む学校にたどりつけるのかと疑いたくなるほど小さな歩幅でも、確かに積み重ねてきた。
ナビしてきた私の予想を上回るペースで出来るようになったことを増やしてきたのも知っている。

その成長を、間近で見ることができて、本当に幸せだったと思う。

あとはもう各受験校の前日に、過去問を見せたり、選定しておいた問題を解かせたりして、勉強というより頭を切り替えさせる程度。

なるべく躓かないように、やったことがムダにならないようにと、効率的な勉強のために必死に伴走してきたのも今日で最後。
これからは、ただの受験生の父親として、コンディションの調整と送迎といった、彼がしっかり受験できることの準備だけ。

ついに、2024年2月1日を迎えることが出来た。

『こちら側』としての私の役目は、これで終わり。

…貴方は、最高の息子だった。


…あとは、送迎の道すがらでの下らない下世話な話のネタを考えるか。

明日、家から出ての第一声は、「ねぇねぇ、学校行くまでの道で、今日はう〇ちの話と、ち〇ち〇の話と、どっちがいい?」かな。
受験だから緊張してるだろうに、これほどまでに絶望的な2択は世の中にそうはない。
(もちろん、選ばせる形式にすることで、頭から余計なことを追い出す意図)

あるいは、明後日発売のペルソナ3がいかに魅力的なゲームか、とか。
うーん、これまで学んできたことを忘れさせてしまいそうなほど熱く語っちゃいそうだな。

せっかく緊張とともに気合も入っているだろうから、ゲームの話はもうちょい止めといて、中学生になったらやってみたい部活の話でもすっかな。
パパが独断で決める、モテる部活ベスト3!とか。

ぷぷぷ、すっげぇ興味なさそうな顔で聞いていそうな長男くんを思い浮かべると笑えるなー。

そういえば、学校見学も相応に行ったけど、結局どの部活に興味があるんだろ?
もちろん、学校にもよるんだろうけど。
…って、学校見学してきた日々とか思い出して、なんか私がうるうる来ちゃいそうだから、この話題はやめておくか。

ここは平均的に、なんとなーく天気の話から、ごく一般的な世間話でもするか。

今日は冬だけどあったかいね。
でも雨降っちゃったね。
雨とは一体なんなんだろうね。
どうして重力を受けているのに加速し続けないのかな。
空気抵抗の正体とは。仮に空気抵抗を受けない場合、物体の落下速度はどうなるか。
ガリレオのピサの斜塔の実験、真空中での物体の落下運動。
ニュートンと万有引力、ケプラーの法則、第一宇宙速度、第二宇宙速度。
アインシュタインと相対性理論、光速、時間の進みと重力。

よし、初日の朝の話題としてはこんなもんか。

そこから改めて、はじめの一声でいこう。

「ねぇねぇ、学校行くまでの道で、今日はう〇ちの話と、ち〇ち〇の話と、天気の話と、どれがいい?」

…絶対モテないタイプのオトコだよね、オレ。
長男くんがもし長女ちゃんだったなら、嫌われている確かな自信がある。