長男くんと算数の成長

2024年1月12日金曜日

算数 入試 勉強方法

不合格の後で

チャレンジ校の算数の過去問がもうそろそろない。

どうしよ?
別の教材はあるけど、そっちやる?
とはいえ、彼が上手くできないのは、問題の取捨選択。

方針を変えて、「捨て問を解けるようになる」という対策をするのには、もう時間も足りないし、よしんば出来るようになったとして、彼の場合悪影響が…。

うーん?

過去問チャレンジ

Xを見ていると、すでに年末の時点で、「過去問はもう終わり」とか「これからは新しい問題よりも、これまで出来なかったものを確実に」とかいう言葉が見られる。

え!?
ウチ、まだ、最後の総仕上げのつもりで残しているのとかあるんですけど!
特に算数!

と思ったけど、日能研ではない雰囲気のつぶやきなので、「あぁ、他塾さんだと夏から過去問やるんだっけ?ウチは428でしたもの。ほっほっほ」と構えていた。

そうしたら、最後の保護者会のときにも近いことを言われてしまった。

余裕の「ほっほっほ」が、「ぽ ぽ ぽ」に変わってしまう。
これじゃ妖怪か都市伝説だ。

ちょっと待って!!
それじゃあ、残り1ヶ月は何をやるの?

前期の応用ツールの苦手そうな単元(つまりは全部)、
ステージVの難問テキストの苦手そうな単元(要するに全部)、
ついでに合格力ファイナルの応用テキストの苦手そうな単元(結局全部)、
さらにはフリマで買った合格力ファイナルの難問テキストの全部、
算数は一通り解かせちゃったよ!

それでも、それでも、算数が合格平均点に至らない、どころか受験者平均にも至らないことばっかりなんだよぅ。

ねぇ、どうするの!?

これ以上、ウチの長男くんは何を頑張ったらいい!?
どーしたら、こっから幸せな未来にたどり着けるかなぁ!?

ねぇ、ねぇってば!!

と、そんな狂気の圧をうっすら掛けながら日能研の人に聞いたところ、「あー、じゃあ、もっと前の過去問までやりましょうかねぇ」と。

はい、分かりました!
ありがとうございます!!

…。
…あれ?
い、今起きたことを、ありのままにまとめるぜ。

新しい過去問やっちゃダメって言われたから、「じゃあ何を??」って聞いたら、新しい過去問を勧められちゃったの、オレ!?

そんなことに気づいたのも、もう帰途に着いた後。
「教えてもらえた!その過去問ももらえた!」って感動してないで、もっと内容を確認すればよかったよー。

おろろーん!

やってみた

むせび泣いていても仕方ないので、やらせてみた。

普通に解けた。
でも、コレ…。

簡単じゃない?問題。
…あえて簡単な年度をやらせてみようっていう、マジックなのかな?

であれば、その次で効果が?

って今度は初見の別の過去問をやらせてみると、ふっつーに解けてねー!
進歩が見られねー!
むしろ、こんな簡単な回やらせたの間違いだったのかも!?

おーろろーん!

不合格を受けて

ついこの前の西大和の不合格を受けて。
彼の中でも多少は意識が変わったのかもしれない。

以前は過去問チャレンジでも「解けなかったけど、もう少し考えれば解けた問題」を悔しがっていた。
私の気持ちとは裏腹に。

それがやっと、「後回しにして取り組まなかったけど、少し時間を掛ければ解けた問題」を自分から探していた。

今までも、間違えた問題を中心に一通り解答を読んで理解していたようだけれど、「あー、この問題はすぐ解けたなー」とか「実質〇扱いならあとXX点増えてー」とか言っていた。

その度に、割と強めに、「そういった問題をこぼさないように解き方を考えろ」「具体的には…」と言ってきた。

…全く響いてなかったけど。
彼的には、「しっかり考えないと難易度は分からない」=「だから、取捨選択が出来なくても仕方ない」と思っているフシがあった。

おそらく彼は、算数の難問に挑むのが好きなのだろう。
それこそ、解けるかどうかよりも、「挑むこと」自体が。
だから、小学生としては異常なほど、けっこうな時間、考えていられる。
(考え続けているかはともかく)

そんなわけか、算数の実力がアップして、解ける問題が増えると、彼は一時的にテストの点が下がる。
おそらく「考えられる問題」が増えてしまうからだろう。
その調整が出来ずに、時間切れになった結果、簡単な問題をこぼす。
というか、まず、問題を読みもしない。

具体的には、全モの大問6あたりの最終設問に手が出ると、大問7を読む時間がなくなるまで大問6を考え、思いつく限りの解法を試し続けてしまう。

でも、そうじゃない。
それは勉強の仕方としては良くとも、テストの解き方としては下の下。
解ける問題、理想的には難易度順に解いていき、まず点をかき集めていくのが上策。

あの西大和ですら、解ける問題を取り切りさえすれば、か細いけど合格最低点に至る道はあった。
(「イマイチ理解していないから使うのをやめよう」としていた解法がマルっと出て、ほぼ全滅しちゃった大問があったのだけれど…)

これまでもそういった取捨選択は色々と方法を考えて、長男くん自身も納得した方法を考えたようだけれど、どうも注意していないと実践を忘れる。

だから、これまで過去問が上手くいった年は、たまたま最終設問以外で分からない問題がなかったような年、あるいは、気が向かなかったのか捨て問をさっさと捨てられた年が多かった。

その長男くんが、今、ようやく、取捨選択の重要性と覚悟を、「言葉」でなく「心」で理解できた、のかもしれない。

うん、落ちるからね。
普通に無慈悲に。
点が取れないと。

そんなときに

簡単で、わりと全部解けるくらい手が出てしまう回を解かせるのは失敗だったように思う。
その次に失敗した回も、またもや、捨て問で考え過ぎて取りこぼし多めになった。
せっかく、ちょっと解き方を矯正できつつあったのに。

長男くんは、「点を取る快感」よりも「難しい問題が解けた快感」を優先してしまっているのかもしれない。
そういうの、普通はあり得ないと思うんだけど。
順位とかが出る試験を受け続けていたのに。

…テストの多い日能研で、テストを受け続けていたから、その辺の感覚があまり分からないまま来ちゃったのかな。
ちょっと失敗したって、どうせ1週間後、2週間後にはまた試験受けるものね。

でも、今回は違った。
とある学校で、少し形式が違う問題。
チャレンジ校ほど難しい問題がわんさかとは出ないけど、問題数に対して時間が足りなめ。
悩んでいることは許されない。

そこで、大問1の(1)から分からなかったらしい。

正直、見た目、そんな難しい問題じゃない。
ただ、私でも、はじめに思いついた解法では出来なかった。
しかし、他に試すことだって、2,3は思いつく。

そこで、長男くんは。

なんと今回は、しっかり飛ばせたらしい。

たしかに、テストの戦略としては、そうだ。
時間のないテストだと事前に伝えていた通り、「解けるかもしれないけどすぐ解けない問題」なら飛ばして、戻れたら戻る。

でも、本当に見た目は難しくない問題。
問題文を誤解する余地もなく、条件も単純。

何回か試していれば、解き方が分からずとも、いずれ答えにも辿りつくだろう。
しかも、大問1の(1)。

そんな問題を今回は、しっかり飛ばせたらしい。(重要)

お、分からなかったというのはともかく、よく飛ばせたね。
ど忘れや突発的に思いつかないことはあるけど、このテストなら大成功だね。

そんな風に褒めると、「ドヤァ」としていた。

長男くんによると、どうやら最近受けたアドバイスの影響らしい。

「そういうときに恐れずに飛ばすことさえ出来れば、キミはどんな学校にも受かる。西大和でも受かってた。アレだけ日能研の勉強をこなしたキミなら、解ける問題を解くだけで合格者平均になんて余裕で届く」と言われたとか。

お、良いこと言ってくれる人だね。
誰かな?
算数の先生?
それとも、日能研の担任?

「? パパ、この前、言ってたじゃん」

っっ!?!?

お、おぅ、そうだな、そうだった、そうだった。
たしかに、言ったな。

「だよー。…もしかして忘れてた?」

Hahaha!
そんなことあるわけないじゃん!
パパ自分の言ったこと5年は覚えているし。
No problemだよ。

…もう何言ったかなんて、イチイチ覚えてねぇし、思い出せもしねぇよ。
注意、怒り、励まし、怒鳴り、おだて、そのときどきで考えられる言い方を色々試してるんだからさ。

残念ながらな、お前の父ちゃんは、パスポートに「Demakase Kuchikara」って書いてあるような人間なんだ。

今後の展望

残りはあと3週間弱。

それで、長男くんに対する中受の伴走は終わり。

最後の最後、我が家で重点的に教えるのは、勉強の内容ではなく、「テストの解き方」になりそうだ。

であれば、「過去問はもう終わり」というのは我が家には当てはまらないな。
練習すべき問題は全て練習させた。
その練習は、ルーティンとして多少は続けるとしても。

最後の最後まであがくのは、問題の取捨選択の方法だ。
本来なら、テスト形式、問題形式への慣れ、ということでさっさと終わったかもしれない。

しかし、長男くんは、秋から冬にかけて苦手単元の克服をしている中で、すごく出来るようになった。

だからか、いついつまでも問題の取捨選択が上手くならなかった。
過去問をやっていても、前は解けなかったであろう問題が、解けるようになってしまうから。

例えば、前は15問中、解けるのが10問、実際に解けたのが8問だとして。
解けない5問は早めに見切れていたのだ。

それが、15問中、解けるのが12問になっても、実際に解けたのが8問のまま。
解けない3問にも手が出てしまい、結果、得点が変わらない。

おそらく、得点での成長が見られないのは、コレが原因ではと思う。
「もう覚えてもいない」と本人はいう2回目の過去問をやらせてみると、たしかに解き筋は覚えていなさそうで、いくつか試した上で答えを出していく。

その成績が、取捨選択ができるようになってからは、かなり上向いている。

そう信じたい。

本来、取捨選択なんてさほど難しいことではない。
分からない・時間のかかる問題は全部飛ばしていって、飛ばした中で速く解けそうに感じるものから順に取り組み直し、それを繰り返すだけ。

あと20日、それを果たして彼は身に着けることができるだろうか。

…んー、もう一回くらい、不合格、味わっとく?
いや、もし問題の取捨選択が出来ていたなら、合格してもらわないと今度は困るんだけど。

…フッ、あと20日間、楽しい毎日になりそうじゃねぇかよ。