長男くんと過去問パラダイス

2023年11月10日金曜日

過去問特訓 生活

姿を変えていく過去問演習

長男くんが6年後期に入り、すでに2ヶ月が経った。

残すところはあと3ヶ月。
大人にとってはあっと言う間の時間だろう。

しかし、子どもにとっては、まだまだ十分成績が上下するだけの時間が残されている、のかもしれない?

勉強の内容は、中受の中ではじめて日能研のカリキュラムからは外れ、過去問がトリガーとなっている。
そんな彼との毎日。

9月の過去問

後期に入り、日能研の言いつけは守る気もなく、とっとと過去問を始めた。
いや、正確には、目的としては守っていたつもり。

まず始めたのは国語と社会。

理由は簡単。

国語は、明確に新しく習う知識が元々少ない。
スパイラルの中で徐々に新たな概念はあっただろうけど、他に比べれば多くはなさそうな科目。

育テや全モとは異なる傾向の入試問題なこともあり、とっとと問題形式とその難易度に慣れさせた方が、日能研での勉強も活きてくるだろうと思った。

社会も、結論は同じ。
根拠は国語と少し違っていて、育テや全モが簡単すぎた。
「メモチェをまずは徹底」と言われるけれど、それは「ほぼ」出来ている中で、さらにやらせても効果が薄いと踏んだ。

メモチェのレベルも、入試問題から考えて、私から見れば70点くらいな感じだった長男くん。
タチの悪いことに、自分では95点くらいの出来だと思っている。
実際、育テや夏期テストのテスト難易度じゃそんな感じ。
そこから100点にするのはモチベーション的に大変だろう。
だから、「お前は今70点レベルなのだ」というのを突きつけてあげて、「もっと完璧なレベルが要求される」と肌で感じさせる必要があった。

そういう、「メモチェが完璧なのはゴールでなくスタート」だと分からせるための過去問。
過去問演習が目的というより、過去問演習に向けた準備としての過去問演習。
…自分で何言っているかよく分からねーな。

それはさておき、社会と同じ理屈なら理科もそうなんだけど、さすがに理科はメモチェが簡単すぎる。
夏期講習や普段の授業でやっている問題の方が難しいんだから、社会ほど勘違いしている感じではなかったので無視。

そして、一番のネックの算数。
これは、夏が基本徹底だったから後回し。
いきなり熱望校の過去問やったら冷水に飛び込むがごとく、ショックを受けてしまう。

ちょっと1ヶ月くらいは授業や難問テキストで慣らせつつ、その間に国語と社会で難易度と問題形式を体に教え込む、という作戦だった。

10月の過去問

概ね予定通りの進捗で9月を終え、10月。

国語は、はじめの1,2回こそ問題形式とそのレベルに慣れられなかったからか散々だったけど、しっかり振り返ったからか、その後はそれなりに安定してきた。
唯一、語彙は、全然ダメそうだったので、教材を追加した。

…ホントに、中学受験は最後の最後まで語彙に悩ませられるな。
日能研でも、栄冠の裏のおまけみたいなレベルじゃなく、語彙用の教材くれればいいのに。
あれじゃ持ち運びもしにくいし、テストみたいにも使えない。

結局、今使っているのは、SAPIXの言葉ナビ。
過去問でも驚きのカバー率だったので、少なくともライバルに遅れを取る教材ではないだろう。

まだ全部終わっていないけれど、カバーされたはずのところから語彙が出題されている年度から定期的に過去問をやっている。
合格者平均を超えたり、受験者平均まであと一問だったりでフラフラな感じ。

社会と理科は、なかなか受験者平均が超えられない。
でも、もう少し問題に沿って考えられていればまだ取れそうな問題は残っていて、その分を合わせれば合格者平均にも届く。

もう新しいことはそんなに習わないのだし、まだあと3ヶ月、ひったすらに過去問含めた演習問題をやりまくれば、間に合うのではないか、という感じ。
そのひったすらも、そこまで異常なペースでもなく、6年前期や夏期講習と同レベルくらいだ。

特に社会は、知る由もない当時の時事問題のところではいつも落とすから、そこはちょっと希望が見える。

問題は算数だ。
目標点まで、あと3~5問くらい。
これでも大分良くなったほうで、実は夏休みにも過去問もどきをやったりしていたのだけれど、そのときよりも初めは大分出来が悪かった。

なんというか、危惧していた通り。
捨てるべき問題を解こうとして、簡単めな問題を見直さずに間違える。
そういった問題の取捨選択と、簡単めな問題での確実な正解ができていない。

ただ、時間と実力はけっこう間に合っている。捨て問を捨てていれば。
純粋に、取捨選択、どこに力と時間を割り振るかだけの問題。
そして、難しい方は捨ててしまっても目標点に届くだけの実力もありそう。

なのに、難問の方でわざわざかすりもしていない段階で悩んで、簡単めな問題で間違える。

たとえば、図形の長さの読み間違えとか。
たとえば、答えるものの混同とか。
たとえば、本当は簡単な問題を「普段は難しい分野で捨てると決めているから」と問題文も読まずに捨てたりとか。

まぁ、しょうがないけどね?
「比較的には、簡単め」というレベルであって、おそらくは全モでなら正答率30%はいかないであろう問題。
それらを全問解き切る、というのは彼にとってはまだ難しいのだろう。

でも、正答率10%は越えているはずの問題。
ほぼ答えまではたどり着いていて、ちょっと一言「それ出すんだっけ?」「そこの長さ合ってたっけ?」とでもアドバイスしてさえあげれば問題なく解けるくらい。

惜しい。

間違えない練習

ということで、国社理もそれぞれ課題はあるものの、一番の大きな障壁は算数。
「簡単な問題を見抜いて、それを確実に正解する」というスキルの習熟が必須。

…あれ?これ、他の学校の過去問でもいいんじゃね?

ということで、最近は他の志望校の過去問も織り交ぜている。
彼の場合、率直に言ってチャレンジ校だけが2,3段難しいので、その他の学校の入試なら大体が「解けなきゃいけない問題」なレベル。

そこで、今までよりもさらに「確実に」正解するように注意深く解きつつ、難問テキストもやって難しい問題でも単元の穴をなくす。

しかし、そうした中でやった、偏差値的にはお守り校気味な学校でも、初見だと緊張が勝るのか、結構間違えたり。
それでも合格者平均は越えられた。
そうすると、結構嬉しいらしい。

うん、解けないより解けた方が、目標点に届かないより届いた方が、やっぱりうれしいよねぇ。
チャレンジ校の算数を立て続けに解いてちょっと自信をなくしつつあったっぽかったので、そうしてみて良かった。

11月の過去問は、8:2くらいでチャレンジ校以外の学校を進めていこうかな。
今チャレンジ校やっても、届いていないことが改めて分かるっていう結果にしかならなさそう。

出来ないの?

一方で私はというと、彼の過去問チャレンジ中には、一緒に問題を見て、解く問題と解かない問題を決めて取り組み、解答を確認して解説できるようにしている。

そうしているとチャレンジ校以外などはっきり言って彼の1/3~1/2くらいの時間で終わる。
それで国算理なら大体ほぼ満点。
社会でも2,3問程度の間違い。

チャレンジ校でも、国語、算数、理科で合格者平均が取れないときなんてない。
社会は、…まぁ受験者平均くらいだ。良く見積もって。

そんな感じの私と、彼の成績を見ていると、「ホントに過去問解いていて成長しているのか?」とちょっと疑わしくなるときもあった。

たしかに、得点/目標点はちょっとずつ100%に近づいている気がするのだけれど。
いつも注意する内容が大して変わらないし。
新しいことを習い続けていた2年半に比べると、停滞のようにも思えた。

結局私の今の結論として、過去問はテストみたいなもので、過去問を繰り返しているだけで新たな発見がないなら、同じ出来をリピートするだけになってしまうのだろうと思っている。

そう思って、過去問の結果から「ちょっと弱めだな」と思った単元の重点的な復習も大事かなと思い、それ用に用意していた教材をやらせてみている。

でも、その中のちょっと簡単め?というか、基本確認に近いような問題を一緒に競争としてやると。
速いのだ。
彼の方が。
圧倒的に。
ひどいときには、それはもう、私が問題文を読んでいる間に解き終わっている。

まぁ、夏期講習のときもそんなもんだったからね。
さすがに、わりと典型的な問題だと練習量がモノを言うだろうから、もう敵わないか。

とか余裕で構えていたのだけれど、最近は最近で、またちょっと変わってきた。
解けるのだ。
彼の方が。
衝撃的に。
この私様が、わりと真剣に取り組んで、「あ、解けねーな」と思う問題を解いてくる。

解法を聞いても普通に納得感のある解答をしてくる。

…いや、こんな表現はもう適当じゃない。

私にも理解できる適切な解法を教えてくれる。
理解できないときは、率直に言って、彼の表現や説明ではなく、私の方の理解が足りていない。

たしかに、そういう分野はまだ少ない。
ついこの前、「祭り」と称して6時間くらいぶっ続けで強化した平面図形とか。
さすがに高校でも扱う単元は私に解けない問題があまりないけれど、長男くんも、十分しっかり考えられている。

キミ、それでどーして、過去問演習になったら間違えやがりますか?
絶対簡単でしょ。
最終設問はともかく、(1)やら(2)やらは。
そこらへんからの3、4問を正解すれば合格者平均超えられるのに。

出来るじゃん

うーん、一体どうしたら…と悩みはするものの、案外こういうものなのかもしれない。

そこそこ他塾の模試も受けて、日能研でのテスト結果からも大体違和感のない成績を取っているのだけれど、過去問の合格者平均や受験者平均ほどには、目標までの差が開いてない。

中受の勉強において、伸びしろなんて言葉とはもう無縁であろう40代のおっさんと比べれば、小学6年生は、まさにこれからが入試問題で点を「取り切る」という点が上手くなるのかな?

いや、きっと、そうだよね。
うんうん、きっとそーだ。

半ばは励ましのセリフで、「今の時点で合格者平均が取れる学校なら、もう少し難しい学校で練習した方が良くないか?あと3ヶ月、することなくなっちゃわない?」と声掛けしてきたけど。

たしかに、1,2ヶ月前に比べると、見違えるように出来るようになって来ているようだ。
あと3ヶ月、このままのペースで伸びるのであれば、それこそチャレンジ校にすら届いてもおかしくないのではないだろうか、というくらいに。

なにより、そんな彼に解法を教えたり解法を教えてもらったりする時間が、とても楽しい。

いや親バカたっぷりだけれど、スゴイわ、ウチの子。

複雑な文章題になればなるほど私の方がまだ解けるのだけれど、大して複雑でもない設定で彼にも十分理解できている問題だと、難易度問わず敵うことがもうあまりなくなってきている。
そういう問題で私に解けないときは、「マジか、魔法かよ」というような解法を教えてくれる。

もう、瞬間では理解も及ばない。
しっかり頭の中で確かめると、確かに合っているのだけれど。

複雑な文章題というのも、私が教えるのは、その文章の解釈方法程度なことが多い。
その後は勝手に解き始める。
5年生のときから、嫌がらせのように「ヒントその1」「その2」「その3」「はい答え~」とか段階的に教えるようにしてきたけど、大体「その1」レベルで解き始めて答えを出してしまう。

これが、2年前、「はい、ローソクが燃えていく直線のグラフはこうですね」とか「秒速10mは時速で言うと?」とかやって、分からなかった子かよ。

それから、たかが2年、たかが24ヶ月で、ここまでだ。
あと3ヶ月もあれば、「解ける問題を解き切る」くらいのこと、多分出来るようになるだろ。
ていうか、ならない方がおかしいだろ。

うんうん、きっとそーだ。
そうに違いない。

ということで、今週も終わっていく。

あー、あと12週間ってホントかよー。
怖いなー。
でも、もう終わっちゃうのかー。

早く終わって欲しいなーという気持ちと、いつまでも終わらなければいいのになーという気持ちとで、頭も胸も一杯な今日この頃。