夏が始まった
言葉の響きとは裏腹にブルーな金曜日。
「キンッ」て言ってんのにね、「キンッ」て。
そんな私とは対称的に、息子達は一足早く夏休み。
うーん、このやろうどもめ。
挙句、珍しくも出社になってしまったので、一人寂しく家を出る。
「これやっとけよ」という計画書を残して。
二男くんの場合
まず、夏期講習のテストプリントを1回分。
朝活の「計算と漢字」の代わり。
漢字は、長男くんの夏期講習テキスト(基礎)と、二男くんのテキスト(発展)とで同じだった。
難易度も年度も違うけど、そういうものか。
まぁ、まだその頃は『こちら側』っぷりが浅かったので、フォーマットがイマイチ。
書き直しが必要だったけど、単元にバラバラしているよりもまとまっていた方がきっと使いやすいだろうな。
あとは夏期テキストの計算、特別問題。
学校の宿題も出ているから、適当に分割してっと。
ここらへんまでは、ルーティンとして、終わるまではこのペースで継続。
漢字や計算は、4年後期や5年前期、後期くらいまでの「計算と漢字」は使えるか?
なんだかんだで、どちらもすごく大事だからな。
単に計算問題や漢字を解くという以上に、計算力と語彙は大切。
…いや、マジで。
まさか、と思うようなことが、今日起きた。
起きてしまったのだけれど、それはまた長男くんパートで。
そして、二男くんは明日の育テの勉強。
算理社で栄冠の解き直し。
あと、国語は専用の問題集を買ったので、それを1日分。
自分で大体出来ていたけれど、ちょっと都道府県庁が弱いな。
古今東西で、でたらめな順序で聞くと、手こずるのがいくつかある。
特に、島根県ー松江市 が出にくいらしい。
しかしまぁ、横浜市 → 金沢県と答えられるのはなかなかだな。
言い間違えただけだと思いたい。
長男くんの場合
結局いつものテスト勉強に、学校の時間の代わりで軽めのルーティンをやる程度の二男くんに比べて、長男くんの計画書は。
一言で言えば、悲劇。
地獄の鬼にももう少し慈悲ってモンがあると思う。
いつもの朝活やって、夏期テキストの語句、語句演習、漢字を少々。
算理社の栄冠、算数の本科と強化ツールの残ったもの。
そして、428で授業前までにと指定された問題。
その後に、なぜかまた、算理社の栄冠。
それが終わったら、428を自由に。
うーん、私がやっても、6、7時間はかかるかな?
何でか知らないけど、やたら428はやりたがっている。
昨夜は夜が遅かったから寝かせたのだけれど、頑張るモチベーションが何か出来たのだろうか?
塾でも「夏に本気で頑張った子は、合格させます!」と発破をかけられたり、過去問はまだ無理だって言われているのに、鬼畜な親がさらに難しいそっくり模試の過去問やらせたりしたんだよね。
全然点は取れなかったのだけれど、「夏+その後の1,2ヶ月での到達点はここだ」というのは感じ取れたのか、静かな闘志を感じる。
私が家を出るときから勉強を始めていた。
そして、そんなこんなで仕事が終えて帰ってくると、ちょうど勉強を終えたところのようだ。
あれー?
もしかして、私の勤務時間よりも、長いっスか?
「今日書いてあったことは全部やったよ!」と報告してくる長男くん。
うんうん、頑張ったね。
「もう、遊んでいいかな?」
え、受験生が?
まだ寝るまでには結構時間あると思うけど?
と間髪入れずに言い返せる私。
地獄の鬼にももう少し慈悲ってもんがあると思う。
まぁ、決して遊ぶなという意味ではないけれど、遊ぶなら覚悟を持って遊びなね?
1月31日、やれるだけやったんだと思えるように。
そして遊ぶなら思いっきり遊びなね?
時間は戻らないのだから。
その後、あと1時間半だけ勉強やっとくと言った長男くんは、軽く社会の復習をした後、428のルールにイマイチ不満があると言って来た。
428にて
あまり細かく話せなかったけど、指示したのは3つ。
・1分で締め切り。解法を読んで次に行くこと。
・途中式はテストだと思って書く。
・焦るだろうけど、問題文を読み落とさないように。
後ろ2つは単なるアドバイスだったのだけど、どうにも初めの1つ、「1分以内」がイヤらしい。
えっとね、でも、目標は、「解くこと」じゃなくて「問題を見た瞬間に解法が思いつくようになること」って言われたでしょ?
それで1分以内じゃないというのは、ちょっと、ねぇ?
「でも、難しい問題とか計算が面倒な問題は1分じゃ解けないよ!計算が間に合わない!」
まぁ、そうだろうけど、むしろ難しい問題に取り組む時間にキャップをつけるための措置だよ。
計算が面倒な問題は、たしかに1分じゃキツイかもしれないけど、そういう場合はまぁ、解法を思いつけていれば、いいんじゃない?
「えー!それでいいなら、そう言っといてよ!」
とはいっても、難しい問題かどうかはやる前には分からないでしょ。
だとすると、一律で時間制限を付けないといけないじゃん?
それが、「一分」なんだよ。
「むー、たしかにそうだけど…」
それはそれとして、コレの基礎的な問題でなら、いくらなんでも1分で計算できないのは、ちょっと遅いぞ?
すると、ちょっとムカっとした長男くん。
「じゃあ、パパがやってみてよ!」
ふむ?
まぁ、いいけど。
「じゃあ、この問題」
と言われると、基礎じゃない問題を指定してくる長男くん。
だから、基礎の問題で、だってば。
まぁ、いいけど。
と言いながら、ズババっと解くと、30秒。
こんなもんじゃない?
「でも、計算間違っているけどね」
あら、カッコ悪い。
あー、ここの式を間違えたか。
でも、コレくらいのスピードなら1分はかからないんじゃない?
試しに、基礎で出してみてよ。
「じゃあ、今度はこれ」
と言われて、またズババっと解くと、今度は15秒。
うん、やっぱこんなもんでしょ。
なんで、これくらいで1分もかかるの?
「うるさいな!…じゃあ、久しぶりに計算勝負でもする?」
んー、飯食ったばっかだし、PC起動してプリントアウトはかったるいな。
…じゃあ、二男くんの夏期テキストの問題でも使うか?
ここのページにある、計算問題9問使って勝負な?
「分かった!よーい、ドン!」
…やれやれ、全く。
計算問題で私が負けるわけなかろうに。
どうして、3年近く勉強してそんなことも学習できないかね?
1+1が2になるよりも当たり前だろうに。
なぜなのかは私にも分からないけど、圧倒的に速いんだっちゅーの。
挑戦は美しくとも、世の中には勝てない勝負があることも教えないといけないのだろうか。
「終わったー!!」
…は?
え、え?
オレ、まだあと1問あるんだけど。
いや、焦るな、まだ慌てる時間じゃあない。
全問正解してこその速さだ。
よし、しっかり解いてっと。
「じゃあ、答え合わせー!」
はい。
(1)はー、…(9)はー。
発表する前に横目でちらっと見る。
ダメだ、同じ答えだ。
「やったー!勝ったー!」
うーん、今までもわざと負けるようなこともしてきたし、上下逆さまで問題見るくらい余裕かましても平気だったけど、今回は完敗だな。
完全に同じ条件だったのに。
しかも、9問しかないのに、1問分の速度差。
これは、辛い。ちょっとやそっとじゃ覆せそうにない。
まぁ、100問くらい計算問題をしっかり紙に書いて解くような練習をすれば、手の動かし方も思い出すかもしれないけ…ど…。
いや、ちょっと待て。
なんでお前はこの速さで計算できるのに、計算で時間が足りなくなるんだ?
どの問題でそうなった?×マークは付けたんだろ?
ということで見てみると、×はほとんどが最高難易度にカテゴリされた問題。
一番簡単なところの問題は大体〇が付いている。
いや、これお前、解けてんじゃねーか。
あれ、ここら辺は簡単なヤツでも×だな。
って、ここら辺は動く図の問題じゃないか。
動く図の問題は典型問題でも動いている図を書かないと危険だから、そりゃ1分以上はかかるでしょうよ。
そんで、どこまで解いたの?
「80」
80!?
そんなやったの!?
それだったら明日のテスト勉強の方が…、ってそれも今日だけで栄冠2周したんだっけか。
キミ、速くなったね…。
まぁ、じゃあ、もう少しやるとしたら、428の続きか。
せっかくだから、107くらいまで行けばいいんじゃないか?
「107?なんで107?」
約数だからに決まってんじゃんか。
ちょうど25%だろ。
ということで解くところを見ていても、もう魔法のような速度で解いていく。
解法にも間違いがない。
これで1分で解けないのは、人類が1分じゃ解けない問題なんだろうな。
まぁ、いくつかは詰まるのだけれど。
結局、私が見ている中で、45分で40問。
途中、×か〇かで5分くらいゴネたりしていたけど、大体こんなペースか。
…多分、本気で解いたオレとほぼ変わんねーな。
キミ、これ、その気になったら、明後日までで終わるんじゃねーの?
夏期講習開講日に「428終わったんですケド…」とか言えたらカッコイイね。
「428おかわりー」ってフザけてみたら?
そんな風に囃してみると、恥ずかしがりながらもうれしそう。
こういうところは、まだまだ子どもだな。
しかし、算数において、基礎から軽めな応用問題とはいえ、オレと同レベルまで至ったのか。
すごい成長だとは思っていたけれど、ホントすごいな。
一方の国語
最後に、キリがいいところまで終わって、軽く物語文を一緒にやりたいと言われチャレンジ。
文も用意してくれる至れり尽くせりっぷり。
ふむ、瀬尾まいこさんの「卵の緒」と。
なるほど、母と子の話か。
明示はされていないけど、どうやら、血は繋がっていないのか?
あまり理解できていなさそうな年齢の子のようだけど。
「最後の男の子の気持ち、分かる?ボクねー、コレ、『捨て子かは疑わしいけど、ハゲたくないからもうママには聞きたくないという気持ち』だと思うなー!」
…違うな。
「えー!じゃあ『ハゲたく…』」
ハゲは関係ねぇよ。
「マジ?それじゃあ『母を疑う気持ちはあるが…』」
ねぇよ。
あのな?説明文と違って物語文は、もっとしっかり全体のテーマを捉えて答えろって。
書いてあることが事実だと思い込むな。
それは説明文の読み方だ。
この幼い子から見たママじゃなくて、ママの言葉や行動を客観的に捉えて考えろ。
そうすると、テーマはなんだ?
「ハゲ」
ハゲは、関係ねぇんだよ。
「卵」
卵が主題だったのか?本当にそれを言いたいのか?
テーマっていうのは、物語を端的に表す言葉、キャッチコピーみたいな感じだよ。
例えばデスノートのウリっていったらなんだ?
「頭脳戦?」
そうだ、だから、映画のキャッチコピーはたしか「天才vs.天才」だ。
そういう風に考えると、この物語は何だ?
「…。…ハ」
ハゲは、一ミリも関係ねぇよ。
「…。分からない。」
できれば話を反らしたかった点、卵の殻を準備した点、抱きしめた点、それらを踏まえると?
「…。無理…。」
…母の、愛、だな。
ということで、「捨て子かどうかの疑問は解決されなかったものの、母の強い愛情を感じたことで満足した気持ち」ってとこだ。
「なるほど!!」
分かってくれてなによりだけれど、どうしてお前はそこまでハゲにこだわったんだ…。
コレ、きっと最後に話を反らすためだけの話題だぞ。
…お前は、もう本当に、なんで算数はあんなに出来るのに…。
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