長男くんと先生

人は教え好き

「今の時期の偏差値は当てになるのか」

そんな疑問を検証するため、解いてみた長男くん熱望校の今年度の問題。

パパと絶望的なゴミ

完敗と対策

そして、絶望的なゴミになったパパ。

全モで時間内に解けなかったことなど今までに数えるほどしかなかったものだから、小学生レベルでは無双な気分だったピュアな１２歳（と３３６ヶ月）の心が「ぺき」ってへし折れた。

しかしまぁ、折れたままでは出来るようにはならないので、とりあえず見たことのない解法が出てきた図形について、「難関校にも有効」と評判な参考書を２冊、ママにおねだりして買ってもらった。

「オレがオレであるために」という理由が面白かったようだ。

爆笑してもらえて何より。

と、届いたその問題集を目ざとく見つけた長男くんがウザ絡みをしてきて…？

よりにもよって

図形の必勝手筋とやらをチョイスしたのだけれど、２冊編成。

１個目が平面図形、２個目が動く図形と立体図形。

先に届いたのは２個目の方だった。

よりにもよって、か。

動いたり立体図形だったりは、中学以降じゃあんまり解いたことない、っていうか、ベクトルだったり積分だったりのは覚えている気がするんだけど、小学生っぽい図形の動き方となーんか違うんだよなー。

出来れば１個目の方で慣れてからチャレンジしたかった。

中身を見ると、４４個の解き方＝手筋が紹介されているらしい。

２個目だから、４５～８８って書いてあった。

おそらく１個目は１～４４なのだろう。

まずは手筋が紹介されて、巻末？というか別冊な感じにカードで演習問題が付いているようだ。

じゃあ、その流れで手筋とやらを理解して、あとは、カード全部覚えちまえばいいわけか。

そんな具合に昼休みに本の構成を軽く確認して、午後の仕事をしていると長男くんが帰ってきて、目ざとく見つけやがった。

ウザ絡み

実は絶望的にゴミだったパパの顛末は話してあったので、さっそく煽ってくる。

「あれ、もしかして悔しかったの？」

…ウザ…。

まぁ、こちとら伊達に１２歳と３３６ヶ月、単位換算をすれば４０歳の不惑というわけじゃあない。

囃し言葉の一つや二つ、受け流す余裕はあるものさ。

まぁね、どうやらパパは図形が致命的に弱いようだからな。

「ふぅん。まぁ、たしかにね」

た　し　か　に　ね　？

オマエ、今　なんつった！？

…図形勉強しているときに、調子ノせようと思って「さっすがー」「すごーい」「そんな見方できるんだー」と、接待してくれるのがお仕事なオネエさんのイメージで褒めていたのを真に受けたのだろうか。

将来、デート商法にでもひっかからないかと不安で仕方がない。

そんな人の気も知らず、パラパラと長男くんがめくっていると、それなりに面白いらしい。

なるほど、それは楽しみだ。

勉強スタート

と、仕事も終え、栄冠やら本科やら強化ツールやらをやっている長男くんの隣で始めてみる。

ふむふむ、知らん事ばっかりだな。

これまで場当たり的に力任せで解いてきた問題が、実はわりとパターンに分類されていたり、しっかり考え方があったりしたわけだ。

しかし、やっぱり図形が動くというのは難しいな。

問題文とその図形から、どうにもどう動くかのイメージ図が浮かんでこない。

鉛筆使わなきゃダメかなー。

動いた後に出来た図に対して、さらにどの部分とどの部分とが面積が同じ、とか考えるようだ。

これは、なかなか暗算じゃキツイ…。

と、どうにか問題文の図だけから等積変形が出来ないものか、うーんうーんと悩んでいると、ちょうど解き終えた長男くんがのぞき込んでくる。

「なんか悩んでいるみたいだね」

あぁ。

ココとココの部分が同じだっていうのが、なかなか分からなくてな。

「え！こんなの当たり前じゃん！！」

え、マジで。

当たり前ってレベルなの、コレ？

「ほら、ココとココとが一緒でしょ？だから、ココとココの面積が一緒だよ」

…コイツは、動いた後の図形で考えているみたいだな。

オレが悩んでいるのは、動く前の図形からどうやって考えたら一発で見つけられるのかって話なんだけどな。

まぁ、調子ノッているのを挫くこともなかろう。

しかし、やっぱり図が動くときは、一回動く図を書いてから考えるっていうのが定石なのかな。

そうすると、紙と鉛筆がないと勉強も難しいか？

とりあえず読むだけ読んではみるか。

うーん、自分で解くならまだしも、長男くんの勉強を見るときには、彼の様子を見つつ、隣で暗算で解いておいて教えるから、暗算で解けるようになりたいんだけどなー。

と、そんなことを悩んでページを捲る手が止まっていると、長男くんがまた覗き込んでくる。

「あー、コレはちょっと難しいかもねー。えっとねー」

…まぁ、とりあえず拝聴はしておくか。

うん、どうやら理解はできているようだ。

動いた後の図形に対しての求積だけれど。

しかし、もう、もしかしないかもしれないけど。

キミ、パパのこと、下に見ているよね？

…まぁ、いい。

今は。

この気持ちをエネルギーに変えよう。

「どうした？笑えよ長男くん」っていつか言ってやろう。