長男くんと二月の勝者17

2023年2月16日木曜日

生活

吉祥寺ってどこ?

ちょっと前に二月の勝者の17巻が出た。
Amazon引用 
2月1日の合否続々!小学館漫画賞受賞作

学校の多くが合否を当日に発表する中学受験。
2月1日の18時、吉祥寺校
最初の合格発表5人の結果は?

続々と入る合否連絡、
たった3~4時間で交錯する
落胆の嗚咽と歓喜の涙。

絶対に「自分はできる!」
と思わせて帰らせる。
2月1日当日も続く講師達の奮闘。

「“嬉し泣き”が
見られるのは親御さんの特権」
あらゆる感情が溢れる最終章、
心ゆさぶる第17集!
いつぞやのドラマよりはドラマティックだった前巻から、どうなるのかな?

とりあえず

まずは一言。
実は、出てくる中学、名前変えてあるのもあって、あんまり分からない…。

いや、分かるのもありはするのだけれど、いいところせいぜい20%ってところかな。
女子中は半ば全滅。
桜陰とJGっていうのだけ覚えた。

まぁ、これは仕方ないとも言えよう。
LGBTQが叫ばれる世の中にあってなお、我が息子達が女子中を受験する可能性は控えめに言って高くはあるまい。

ということで気になって桜陰の募集要項を見てみた。

募集要項 
令和5年3月小学校卒業見込の者
保護者と同居のこと、通学時間は1時間位までが望ましい

…「募集要項」には、性別に関する文字はないな。
「募集人数」の方に「第一学年 女子 235名」とあるから、やはり男子は受験できないのかもしれないけれど。

この学校、たしかスカート以外にズボンも認めるようになったんだっけ?
もしかしたら、体が男であっても心が女であるという証明が何かしらの手段で可能であれば、あるいは?

まぁ、私は私立中学の制度に一石を投じたいわけでは別にないので、疑問は疑問のままでいいのだけれど。

話を二月の勝者に戻して。
女子中だけではなく男子中に関しても、正直分からない。

物語の舞台は架空の塾、桜花ゼミナール、吉祥寺校。

冒頭の見出しに繋がっていくのだけれど、吉祥寺って、どこ…?

たしか吉祥天ってインド神話のラクシュミだったよねとかどうでもいいことはどうでもいいんだけど、渋谷から井の頭線で行くんだったよね?

あれ?
たしか私の敬愛する島津パパの息子さん、開成志望じゃなかったっけ?
開成ってたしか西日暮里、遠くない?

渋谷出て、山手線を半周?
あるいは、あの激混みの中央線上りで新宿か神田あたりに出てから山手?

あ、それでも一時間はかからないくらいなのか。

一方で、横浜の民たる我が家が考えているあたりの学校で検索してみると、吉祥寺からは1時間~2時間くらいかかる。

それに、テレビとかで見た限り、けっこうな都会でしょ、吉祥寺って。
駅近じゃないと、大分遠いんだろうなぁ。

そんなわけなので、男子校といっても、範囲がほとんど被らないのか、被っていても私がピンときていないのか、まるで別の世界線のお話だ。

でも、前回から話題になっていた東央中っていうのは、入試日程とかR4偏差値から考えると、どうやら桐朋中というところかな?

…といって、やっぱり知らないのだけれど。
少なくとも、併願プラン的にはイマイチ参考にはならないかなぁ。

こっから先はネタバレ

16巻は前受けから2月の受験が始まりましたってところだったと思うけれど、ついに2月の合否発表が始まった。

しかし、残念。
前述のとおり、学校のモデルが全然分からないのだ。

ほえ~という感じに進んでいってしまう。

この巻では中学校側の入試採点のシステムも垣間見えた。
といっても、まぁ、ほぼ想像通り。
発表までの時間を考えれば、効率化のために最大限の工夫を施したシステムを構築したのだろうなという感じ。

合格番号を一覧化したPDFを一枚掲載すればいいのと、受験番号をキーに表示画面を切り替えるのとだと、後者の方がミスがないように確認するのが大変そうだけれど。
それでも、結局は。

ほえ~という感じに進んでいってしまう。

あと、これまであまりスポットライトが当たっていない子の扱いが多くなった気がする。
知らない子が知らない学校に受かった落ちた、という話も、それはそれで感動的ではあるくらいには中受に入れ込んでいるつもりなのだけれど、やっぱり。

ほえ~という感じに進んでいってしまう。

ということで、全体の2/3くらいは、ほえ~が今回の感想だった。

印象的なシーン

とはいっても、残りの1/3くらいは、胸を打つような展開。
何人かはこれまでに多く取り上げられた子、その合否が明らかに。

落胆の嗚咽と歓喜の涙」という引用文の通りの展開なのだけれど、その内容にはなかなか感動させられる。

落ちていたときに、塾がどういった対応をしてくれるのかといったところも描写され、塾の方も大変だなーと思う。

特にこの巻の終盤に大きく取り上げられていた生徒、その対応はなかなか興味深かった。
「吐くほど泣かせる」ということで、発奮?させるのかな?

ただ、塾的にはかなり過激?な対応らしかったけれど、あんまりそんな風には思えなかった。
慰めてはいないけれど、淡々と1年の努力を振り返らせるくらいで。
「恨まれても構わない」ということでやったらしいけど、アレで講師が恨まれるっていうのは、ちょっと違くない?

いや、否定する気はないのだけれど、ちょっと期待したものよりマイルドだったというか。

あーいう対応をあえてするような塾も実在するようなことを噂では聞いたけれど、実際、何が起きちゃっているのか若干よく分かっていないような小学生相手には有効な気もする。

私自身は、そういう対応で怒りのエネルギーが沸くような側だというのがあるかもしれないけれど。

ただ、「何かしら大きな成果を得るには、大きな対価が必要」というのは、うーん。
いちゃもんに近い気もするのだけれど、いつぞや、「18歳の受験と12歳の受験は違う!」とか啖呵を切っていた人のセリフかねぇ、と思わなくもなかった。

内容自体には納得いくんだけどなぁ。
まぁ、自分の感情を上手く理解も表現もできない子どもに対して、現状を把握させてあげるということは、悪いことではないと思うけど。
別に煽ったりしているわけでもないし。

あと、「第一志望校に受かるのが3割」の真実、とかいうのも明かされていた。
けど、ホントかな?
「人間、目標の7割くらいまでの到達が多いから、戦略的に第二志望・第三志望を目指すために、第一志望を設定する」らしいけど。
なーんか、数字だけ合わせたような、こじつけな気がしなくもない。

まぁ、内容自体はその通りだと思う。
90点目指して90点を取るより、100点目指して90点を取る方が良くあることだろうし。
子ども相手なんだから、第一志望を高く設定しておいて、実は周囲の大人的には第二志望が本当の志望校、みたいなことはよくあることかもしれない。

我が家も、受験予定校の中で最も要求偏差値が高い学校を第一志望と長男くんとは話しているものの、実際に親の志望度が高いのは別の学校。

でも、その場合、本当の第一志望は、やっぱり一番志望度の高い志望校じゃない…?
…そもそも「第一志望校に受かるのが3割」って、どこで取ったデータなんだろ?

もしかして、塾の非公式発表?

だったら、嘘かもね?
だって、3割って、「いないわけではないけれど、あまり起きない数字」としてイイ線行っているし。

何はともあれ、今後も目を離せない感じなところで終わった。
次巻も楽しみだ。

そんなところで、ちょっと思い立ったことがある。

長男くんに読ませよう

いつぞやのドラマみたいな展開だったならともかく、これは、長男くんにも是非読ませたい。

塾の仕組みとか親の気持ちとかはともかくとして、まず6年生がどう進んでいくのか、というのを理解させたい。

カリキュラム的には、新しいことは習うことは減って、復習や志望校特訓が多めになるわけだし。

あとはなにより、「『落ちる』ということがもちろんある」というのを教えたい。
落ちるときは普通に無慈悲に落ちるし、そのときにどうなるのか、ということも。

彼は、通塾開始時こそ授業の理解も成績もイマイチで自信も失っていたけれど、はっきり言ってそれもあまり覚えていないようだ。
まぁ、子どもの2年前なんて言ったら、はるか昔だろうしね。

なので、塾に通って勉強しているということは、もう彼には大きな自信の源にしかなっていない。
それはもちろん悪いことではないし、それで手を抜くような子でもなければ、そんな余裕がある予定も組んでいないけれど。

しかし「進学を目指して受験」する以上、望まない結果はありえる。
ある程度の大人であれば、それを想定・理解した上で目標校も設定するだろうけれど、そんなことがあの『悠久』さんに出来ているわけがない。
いくつか中受系の小説も読ませたけれど、まぁ、あまり読み取れてはいないだろう。

だから、ぜひそういう面も見せてあげたい。
自分の選択が、自分にとって将来的にどういう意味を持ってくるのか、というのを知った上で、自分の進路を決めて欲しい。

そんなこんなで1巻から17巻まで読ませた。

その中で、お気に入りのセリフは、「私はパワハラなどしたくはないんですよ…」だったみたい。
あれの真意が読み取れるようになったというのは、成長したもんだね。

ただ、残念ながら、全体的にあんまり衝撃を受けたような感じはなかった。
長男くんに一番似ているのは加藤君かなー、と思ったんだけど、そんなにピンとは来なかったみたい。

まぁ、さすがに彼の受験前には、最低でも2月3日くらいまでは終わっているだろうしね。
また衝撃的な展開でもあると、少しは受験の怖さが分かったりするかもしれないなー。
次も楽しみに待っておこう。