長男くんとポピー

2022年12月7日水曜日

社会 復習

文明開化の音がする

武家社会の終わりを告げる徳川幕府の終焉。
そして3ヶ月ぶりにお帰り、モースにナウマン。

駆け抜ける歴史もついに150年前までやってきた。
我が家と所縁の深い横浜もついに開港だ。

歴史

歴史をまともに勉強したのは中学で終了な私。
高校の2年生でもやったのだけれど、そのときはもう理系と決めていたから、入試で使わないことが確定していたし、すっかり手を抜いた。

信長の野望シリーズが好きだから、戦国時代は多少ゲームでは触れていたけど。
歴史っていったら、そこ以外の時代がメインだしねぇ。

それでも、結構覚えているもんだ。
というか、少し見れば意外と思い出せるもんだ。
大政奉還に版籍奉還、廃藩置県。

歴史学にでも進んでいれば別なのかもしれないけど、日常生活ではまず使わないから発声したのも数十年ぶりか。
しりとりでも、負けちゃうワード達だしなぁ。

しかし、学び直し2にもあったけれど、何でこの辺は4文字熟語が多いのだろう?
ちょっとググったけど、正確なところは分からなかった。
じゃあ、もう、いつもどおり適当な思いつきで説明すればいいか。

ということで、パパが思うにだね、イマイチお上が混乱していたような江戸幕府との違いを強く打ち出すために、国民をまとめるためのスローガンを作りたかったんじゃなかろうか。
江戸時代の3大改革でも、「帰農令」とか「足高」とかあったけど、「目安箱の設置」とか「株仲間の解散」とかは政策名ではないだろうから、イマイチ伝わりにくいでしょ?

それよりも、4文字熟語でどんな政策かを表すスローガンをつくってバシッと言うことで、「なんかスゴイ」って従わざるをえない感を出したんじゃない?
「税は現金で払ってね」の政策とかより、『地租改正』って言った方が、もう決定事項って気がするじゃん?
あ、あとスローガンは標語って意味ね。この前テスト出たでしょ。

そんなわけで、受験生泣かせではあるけれど、しっかり見れば意味は相当分かりやすいぞ。
「大政」の「奉還」だったり、「地租」の「改正」だったりで、意味のある漢字がくっついているだけだからな。

早押し勝負

そんなこんなで尊王攘夷からの倒幕、新政府樹立の流れをひとしきり語った後は、いつも通りの学び直し1の早押し勝負。

なんか少し嫌がるけど、いやいや、それはスラスラと出てこない漠然とした不安があるからでしょ。
そのまま今日を終わらせるわけにはいかん。
ちょこっと練習したら、勝負だぜ。

ということで、2回ほど一人で練習した長男くんが「もういい」というので、開始。
しかし、左ページだけで蹴散らす。

お前、この出来でパパと勝負になるとでも思ったんか…?
勇気と無謀は違うんだぜ?

と、どうやら今回、言葉がすんなりと出てこないらしい。
特に日米修好通商条約。

私が習ったのは中学2年だったからそんなことはなかったけど、小学生じゃそんなもんか?
じゃ、ちょっと練習してみ。
はじめは区切るといいんじゃないか?
日米 修好 通商 条約 ってね。

「日米 つーしゅー しょーこー 条約?」

ちがう、はじめは しゅうこう。仲良くしようぜってことだな。

「日米 しゅーつー こーしょう…?」

ちがうちがう、まずは しゅうこう だけ心掛けてみ?

「日米 しゅーこー しゅーこー」

まるでお経みたいだね。
しゅうこう の次は つうしょう だよ、つうしょう。

「日米 つーしょー しゅーこー」

順番が逆だ。しゅうこう つうしょう だ。

「日米 つーしゅー しょーこー…」

…振り出しに戻ってしまったか…。
じゃあまずは、リピートアフーターミーで5回くらいやっとくか。

と、なんとか日米修好通商条約を言えるようになった長男くん。
そしてスピードを上げるために練習をしている。

「ペリー、日米和親条約、ハリス、井伊直弼、日米通商条約…」

続けて言うと、まだトチるか。
まぁ、しょうがないかもな。
流れの中で言えるように練習してみ?

と、5,6回練習しているうちにだんだんスピードは上がってきたけど、焦ったのだろうか。

「ペリー!日米和親条約!ハリス!井伊直弼!日米修好通、…商条約!
あー、もう!すぐ言えない!また初めから!」

とやり直す長男くん。
しかし、いきなり。

「ポピー!」

誰!?

どこをどうすれば「ペリー」が「ポピー」になってしまうのか分からない。
江戸時代の人間でさえ「ぺるり」だったのに。
160年越しのまさかの愛称に、もし聞いていれば本人も苦笑いだったろう。

なんかツボってしまった長男くんと一緒にひとしきり笑い転げた。

笑いの流法

笑い終えた長男くんが、早押し勝負の再開を申し出る。
え、マジで。勝てるつもり?

「うん、今度は平気!よーい…ドン!ペリー、日米和親条約…」

と、体で栄冠を隠しながら自分のタイミングで始めていく長男くん。

…だから、それはパパには通じないというのに…。
ソラで言う方がメインで、栄冠は字というよりは空欄の位置だけ見ているんだから。

まぁ、そうまでしても勝ちにいくという根性は褒めてやろう。
しかし、そうだな。
そちらがそう来るなら、こちらにも考えがある。

「日米修好通商条約、桜田門外、薩長…」

ポピー!

唐突に上がった素っ頓狂な雄たけびに突っ伏す長男くん。

よっし。
ペリー日米和親ハリス井伊直弼日米修好通商桜田門外薩長徳川慶喜…。

と華麗に抜き去っていく私を前に、復活した長男くんがやり直しを宣言する。

「もう!もう一回ね、ズルいことなしね!よーいどん!」

ズルいことなしと自分を棚上げする発言や良し。
でも、もうお前は笑いの渦の中に囚われてしまっているよ。

彼のペースも確認しながらひとしきり進めた後、右ページに移ったくらいで、わざとらしく悩む。
えーと、えーと。

ポ?

再び笑いながら突っ伏していく長男くん。
それから全速力で追い抜いていく私。

「もうポピ、ぷっ、ポピーは禁止!ダメだから!はいスタート!」

なんだ、残念。
ポピー禁止か。

それじゃあしょうがない。
ということで、言い進めていく長男くんを、今にも「ポピー?」と言い出しそうな表情で見つめてみる。

「大政奉か、ん、あははは!」

なんだよ、何も言っていないじゃあないか。

しかし、いいねぇ。
パパ、こういう何でもアリな勝負、大好きだよ。


そんな風にからかっていると、「こっち見るの禁止!」とまで言われてしまった。

やれやれ、歴史の勉強をしていたと思ったら、こっち見んな、か。
すっかり反抗期になっちまって、パパ悲しい。
ポピーも草葉の陰で泣いてらぁ。

さて、最終的にタイムアタック制で別々にやったけど、私が50秒、長男くんが速くても1分15秒。
…大体いつも同じくらいになるまでやるんだけど、これは、ちょっと遅いな。

それに、いつもなら育テ週は、先週分と合わせて2週分の勝負をするんだけど…。
ちょっと今日はもう集中具合的に無理そうだ。
先週分も江戸の3大改革で相当に重いんだけどな。

土曜のテスト直前だけだとヤバそうだ。
明日か明後日に、もう少しやっといた方が良さげだ。