長男くんとアンペール

2022年12月1日木曜日

復習 理科

掲げる右手

電気とは打って変わって、元気に帰ってきた長男くん。

「今日のは分かった!」
お、それは良かったねぇ。

それなら安心か、と翌日復習していくと…?

順調?

わりとさくさくと解いていく。
お、右ネジの法則自体は理解しているようだな。

まぁ、電流の方向に親指を向けたとき、残りの4本指が回る方向に磁場が発生するというだけではある。
むしろ、その発生する理由とかが気になってしまうと大変だけれど。
「発生してしまうものはしょうがない」で済ますには気がかりすぎる現象だ。

でも、もう私も理由までは知らない領域なので、もし聞かれてしまったら「マクスウェル、か…」と訳知り顔に呟くしかないな。
追い打ちされても、「今はまだ、それを語るときではない…」とか言って、後で戻ってくる村なんだな感のフラグでも立てておこう。
…オレはいつから、こんなに保身まみれに汚れちまったんだ…。

ところで、この方程式、名前が超カッコいい。
マクスウェル歴史に残るにふさわしい名前だと一目見たときに感銘を受けた。
電磁気の根源たる方程式の名前が「はむの方程式」とかダサい感じの名前だと、正直ちょっとな、と思ってしまう。

そのあたり、「ニュートン」とか「ライプニッツ」とかも、素直に、運のいい名前だなと思う。
万有引力の法則の発見者が私と似た名前だったなら、あの有名な科学雑誌も肉のような香ばしさの残る名称になっていたのかもしれない。

逆に、もし私の名前が「田中マクスウェル」とかだったのなら、おそらく今とは全く違う人生を送っていたのではないだろうか。
日本ではあまり幸せにはなれなそうな名前の人生に思いを馳せる。
とりあえず、電磁気で赤点を取るわけにはいかないだろうな。

そんな、生涯でもかなりのレベルでムダと言える時間を過ごしていると、なんだか隣の様子がおかしい。

くねくね

はじめ電流の向きにしたがって、上下方向に指を立てている長男くんだった。
ただ、ココの単元は後半、その上下方向には方位磁石を置く問題があるんだよね。

なんだ?
急に入ってきてなんで問題知っているのって?
なにをいまさら。

そんなどうでもいいことはともかくとして、できれば、この紙が浮いているような感じで方位磁石がどこにあるのかを考えていくと、後々分かりやすいと思うぞ。

と、親切心からのアドバイスを送ると、どうも親指を奥や手前に向けた後に、どちらの向きの磁場かわかりにくいところがあるらしい。

必死にくねる長男くん。
いや、そっちの方向に腕が回るようには出来ていないでしょ、キミのカラダ。
こっちに回した方が楽じゃない?

お手本のつもりで見せてあげても、なんかできない。
うーんとね、まずは、親指を導線の電流の向きに向けて。

…いや、親指だって。
パパの手をよく見て、再現しなよ。同じ構造なんだからさ。

そうそう、まずは、親指を向けて。
で、手首の方向は固定したまま、4本指をねじる感じだよ。
ほら、どんなにねじったって、親指の向きは変わらないだろ?
同じ方向にだけねじると、体ごとねじれてしまうから、手首だけをこう、回す感じ。

「あーもう!分からない!できない!!」

いやいや、同じ構造になっているんだから、できるって。
また一から教えてやるから、頑張ろう?

そして何度か練習していると、段々とミケランジェロの彫刻にルネッサンスしていく長男くん。

…うん、とりあえず、この単元でまだ左手は使わないぞ。
それはスパイラル後か、中学になってからのようだ。

見えろ

うーむ、まさか、「右手首をねじる」ことにここまでハマってしまうとは思いもしなかった。
「右ネジの法則」が「右の法則」になってしまっては、さすがに解けないな。

さて、どうするか。
学び直し2に載っていた、右の手のひらを使う方法は、正直私もあまり知らないし、チェックもしなかった。
アレって電磁力で聞いた気はするけど…?

となれば、2個目の方法とのドッキングか。

いいか、長男くん。
要は、右ネジの方向に磁力線が発生するわけだろ?
4本指は、その方向を示すにすぎない。

だからな、こうやってお前の出している親指に対して、4本指がこうあるわけで。
説明しながら、4本指の延長から何回かぐるぐるとペン先を回す。

ほれ、これが、磁力線の円だ。
見えるか?
実際にはないんだけど、4本指の延長線が紡ぐ円が。
と、ぐーるぐーる、ぐーるぐーる。

…さすがに、無茶、だった、か…?
ねぇよ、そんな線。

「ん、見えた!」

…え、ホントに…?
じゃあ、電流をこっち向きにしたときは?

と視力検査のように親指の向きを変えさせてみる。
これで磁力線の向き、分かる?

「こっち!」

おぉ、合っている。
というわけでまた電流の向きを変えて、導線の上にある方位磁針はどっちに触れる?
この家じゃ、向こうが北だぞ?

「南!」

おおぅ、その磁力線が見えるのであれば、右手をねじる必要はないぞ。
スピードも今くらいで出来るなら問題ないレベルだ。

…なんで見えんの?
ネジネジしなきゃパパには見えないよ。

さて、比較的簡単な右ネジの方でこれか。
次の回はモーターにリニアモーターカーまで出てくる鬼畜単元の上、嫌がらせのような右の法則。
コイルでは4本指の方が電流だ。
混乱するだろうなぁ。
彼の中のルネッサンスが幕を開けなきゃいいけど。

しかし、扱う内容がすごいな…。
コレ、中学生で習うより難しくない?

イマドキの中学生はさすがにリニアは習うのかな。
そういえば、なんとなく大受のときの演習問題で解いたことがあった気もするけれど。