長男くんと場合の数

2022年9月9日金曜日

算数 生活

テスト必勝法

場合の数、それは鬼門。
イヤな思い出に満ち溢れた分野。

でも、小学生だとちょっと違う。

そんな分野で感じた長男くんの成長。

解けねぇ

大受のとき、私の第一志望は結構特殊な合格条件の学校だった。
合格最低点がさほど高くなく、配点にも教科間で差がある。

ついでに言うと、算数、いや数学か、がすごく難しかった。
大して発想力のない私にとっては、だけれど。

数学は毎年決まった形式で、半分解けなくても合格最低点まで十分に届くくらい。
なので、「この分野が出て、悩んだら捨てる」と分野レベルで決めていた。

そのうちの1つが場合の数。
ちなみにもう1つは整数問題。
(他にもあったかもしれないけどもう忘れた)

どちらも問題文からは大抵分野が判断ができる。
「~通りあるか」と聞かれていたら場合の数、「整数p, qが~」と来たら整数問題。
予備校での問題を解いていて、どうにも説明がつけられない発想が要求されることが多い分野だった。

そんな私の苦手な場合の数。
一転して、算数では非常に取り組みやすい。
そして、結構答えも出しやすい。

数えろ

小学生の問題、数えてしまえば大体答えが出せる。
もちろん全部とは言わないし、これじゃ時間もかかる。

でも、作業としての正確性は必要だけれど、10分あれば数え切れることが多い。
不慣れな子どもでも15分あれば行けるんじゃなかろうか。

そんなわけで長男くんにも推奨。

理由の半分は、それぐらいガッツを持って欲しい、と思う。
要は精神論だ。
何があっても、問題を解くのだ、という。

もう半分は、これが、単なる「作業」だから。

単なる作業が正確に出来る能力、というかスキルはバカにならない。
というか私的には短期記憶と並んで一番人生に役立つと言っていいかもしれない。

数えるといった作業、というのは、単に書いていくだけじゃない。
テストである以上、制限時間は必ずある。
作業が想定時間内に終わること、それが作業を始める前の絶対条件だ。

なので、まず一つ、作業時間などの見積ができるようになる。

たとえば5人でジャンケンをするときの樹形図を書いて数えるとしたら。
手の出し方はもちろん全部で243通り。

書く前に見積もって、1通りを書くのに2秒で行けるなら486秒。
そこから条件に当てはまるものを探して30秒使うとしても、516秒、8分半だ。

フェルミ推定と呼ぶほど変数は多くないけれど、かかる時間を考えて間に合うかなんて自然に考える。

同じように、1通り書くスペースが紙の面積に対して~とか、作業する前に工数や全体像を考える。
そういう、何かをやる前に「どんな結果を招くか」の未来予想をするというのは、勉強だけでなく何をやるにしても重要なスキルだと思う。

そして、単なる作業が必要なもう1つの理由。

新たな発想が、作業から生まれるから。

世の中の法則っていうのは、別に初めから石板にでも書かれていたわけじゃない。
はじめは単なる作業。
それを重ねて、法則があるのではないかと考えて、再現性を確認する。

そう思ってみると、算数ではこのことが適用できる解法が非常に多い。
基本的に正しい解法ではないから、解答には書いていないけれど。
鶴亀とか、大抵は、二分法の計算を繰り返してもたどり着けると思う。

最後まで作業で数える、ということも目的の一つ、正確にできれば、それで制限時間内に答えが出ることは確約される。

さらに、途中で、隠されていた法則に気づけるかもしれない。
これは、実際に書いてみないと分からない、ということが多い。
おまけに、もう答えがでることが約束されているとリラックスできるのか、手が動いていると頭が働くのか、手を動かしたくなくて何かが目覚めるのか、結構あっさり気づける。

なので、分からない、となったときには、諦めないで「作業」をして欲しいと思う。

夏を超えた長男くん

そんなことを思いながらも、4年生のときには、その単なる作業がなかなかできなかった長男くん。

正確に、地道なことを繰り返す、というのは、正しい解き方と違うと思っているのか、何度言ってもやりたがらなかった。
実際やろうとしても場当たりにやるから上手くできないことが多かった。

算数オプションにハマり出した頃から段々と問題に対して粘るようになって、数えれば最終問題でも解けることがある、ということが分かってきたようだ。

そんなわけで、今日も元気に、地道に数えたり計算したりをしていた。
始める前に、「もう解説したげよっか?」と言っても断るほど。

とてもいい傾向だ。
頑張って答えを出せ。

ついでに、「作業する前に時間配分を考えろよ」ということも伝えられた。
テストでもし数えられれば、求められた解法でないにしても、答えは出せるから。
残り1問という状況じゃ厳しくても、残り3問あったとして他の2問を捨てるなら、十分許容範囲の時間になる。

それに、練習問題を解くにしても、一回地道に解いた後なら、その後に楽な解法を聞くと、頭にも残りやすいだろう。

そういえば、1回組み合わせを地道に数えたら、Cの公式は覚えたみたいだ。
まぁ、計算の仕方を覚えられれば、こっちの方が楽だよね。
なにか、5C2の出現率が圧倒的だったなぁ。

まぁ、そんなことをやっていたら、やたら長いことかかって「遊ぶ時間がなくなった」とブー垂れていたけど。

な?
何をするにしても、時間、考えろよ?