ついに化学
5年のカリキュラムが始まってからというものの、理科が退屈で仕方なかった。
あるがままを覚えるだけの生物。
見えるままを答えるだけの天体。
これで何の思考力が育つというのか!?
いや! 育たない!!
※個人の暴論です。
そしてやってきた1分野、化学!
水溶液!!
ケ ミ カ ル リ ア ク ショ ン!!!
遠足前の小学生のようなテンションになってしまうのも致し方ない。
だって男の子だもの。
待ち合わせていても他人のフリをしたくなりそうな、そんな父親から第一声、今日の授業はどうだった!?
「ん-とね、農業勉強したよ。お米とか!米すげぇ!」
たしかに米はヤナトの魂だけど、それはともかく、理科は!理科は!!
「…なんかね、よくわかんなくてつまんなかった!」
ガッデム!!
なぜにWhy?
うっそまじか、化学つまんない人とか存在するの!?
なぜなぜどうして?
一体何をやったの?
リトマスとかBTBとかフェノールフタレインとか、発音しているだけでなんかちょっと面白いじゃん。
「なんかね、表がよく覚えられなかった」
表?表ってなに?
なんか出てきたっけ?
「なんか、酸性とかアルカリ性とか、固体とか液体とか」
…?なんのこと?
「いろいろな水溶液がいっぱい書いてあってよくわからなかった」
あー、あれか。
色々な水溶液の特徴をまとめてある、あの表。
アレはつまんねぇわな。
あんなん見てたって面白くもなんともないし。
え、それだけじゃなくて、水溶液の当てっことかしなかったん?
「?当てっこ?よく分からないけど、しなかった」
マジで!?
それじゃお前、この単元の面白さが分からねぇよ。
家に帰ってから教えてやる。
学び直し
…見返してみたけど、やっぱり普通にあるよな、水溶液の当てっこ。
授業では扱わなかったのか…?
大学のときの実験でもリアルにやったっけ。
数時間くらいかかるようなヤツで。
とにかく、面白いのは、こういう問題の方だよ。
推理で、パズルみたい。
あの表なんて、コナン君や金田一で言ったら人物紹介の見開きだよ。
それだけ見てたって、何の物語もない。
面白いのは犯人当てだろ?
そのために使うんだよ。
だから、まずは表を見ながらでいいから、犯人を当ててみな?
犯人当てるったって、ここに書いてあるヤツはみんな無色透明。
見た目じゃ分からない。でも、どれがどれかは知りたい。
じゃあどうする?
飲んで味をみる?
砂糖水や塩水ならともかく、死んじゃうかもしれない毒も混じっているのに?
というわけで、試しても死なないような方法で容疑者を揺さぶっていくわけ。
まずはBTBで何性になるのか、とかな。
においはあるのか、とかな。
においも、こう、普通に嗅ぐと「うぉっ!!」ってなるから、あおいで嗅ぐんだけどな。
で、作るときからしっかり名前書いておけばいいのに、水溶液1が何でしたかっていうのを当てていくわけ。
ほれ、こんな具合に。
コイツはBTB液が青なんだから、アルカリだろ?
それで容疑液は3種類に絞れたわけだ。
で、においがあるって言ってんだから、アンモニア水だな。
要は時間の経ったおしっこだ。そりゃくさい。
「おぉ、ちょっとおもしろい」
だろだろ!?
で、覚えるまでは表を見ながらでいいから、こうやって推理ゲームを楽しむわけさ。
どうせ容疑液なんて10種類くらいしかいねぇんだから、5,6問解いている内に表なんて嫌でも覚えちまうよ。
いちいち確認するの、めんどくせぇからな。
「…覚えられるかどうかは分からない」
ガッデム!!そこはノって来いよ!
リトマス紙
BTB溶液で十分な気もするのに、なぜかリトマス紙とフェノールフタレインも覚えるらしい。
フェノールフタレインとか、やる気を感じないよね。
指示薬だって言ってるのに、なんでアルカリにしか反応しないのさ。
リトマス紙だって、2色の紙を使わないと特定に至らないケースがあるし。
BTB万能一択でしょ。
と思っている受験脳。
たしか実際に使ってみると、色が連続的に変化してしまうので、強酸、強塩基はともかく、弱酸・弱塩基・中性あたりは見分けが付きにくかった気がする。
明確に色が変わる、特に色がつく、というのは相当見分けやすい。
pH測るのは、時間がそこそこかかるんだっけ?どうだっけ?
あと、たしか酸性だのアルカリだの言っても、pHで考えると色が変わる領域が若干違っていた気がする?
なんだっけ、中和、てき、てい?とかやった気がしなくもない。
まぁ、結局は、机上でテストのための知識の第一段階だから、そこまで覚えなくても良さげだけど。
にしても、リトマス紙をどう使うかも覚えていないようだった。
赤色が赤色のままだった、では、アルカリ性ではないというだけで、酸性・中性の可能性があるぞ。
だから、特定したいときは基本的に両方でないとダメ。
答えるときも、青色リトマス紙がXX色、赤色リトマス紙がXX色だから、XX性みたいに、二色の紙セットで答えるよ。
溶質
…なんか理解度が悪いな?
表でギブアップになって、頭に入らなかったのか?
表の手前の話、溶質、溶媒は分かったかな?
溶けているものが溶質、溶かしているものが溶媒、メドローアされたのが溶液。
だから、溶媒である水を蒸発させると、溶質が出てくるわけ。
無人島に行って戻ってくるみたいなテレビ番組で、海水を一旦蒸発させたら塩が残るでしょ。
それで、元々解けているのが気体だとそのまま飛んでっちゃうから、何も残らないわけ。
「…?」
…お?理解できてない?
ほら、炭酸水とか、水がなくなったら二酸化炭素が残るはずなんだけど、見てわからないだろ?
何も残っていないように見える。
実際気体だから、どっか飛んでっちゃう。
「あー…」
…なんか反応鈍いな。
これは、蒸留とか沸点の違いとか教えない方がいいか?
えーと、この範囲で、液体溶かしているのは酢酸とアルコールか…。
アルコールは先に飛ぶけど、酢酸って、たしか沸点が水より高くなかったっけ?
だから、全部なくなるまで沸騰させたらもちろん何も残らないけど、100度まで沸騰させました系だと酢酸は液体で残るよなぁ…。
でも、それを言ったら絶対混乱するだろ、コレ。
「液体と気体が溶質なら、溶液を全部蒸発させたら何も残りません」で留めた方がいいよな。
この部分も、学び直しをやって、ようやく「残る」とか「残らない」の意味が理解できたらしい。
理科の授業
なーんか、最近理科の授業での理解度が悪い気がする。
社会は、私に用語問題を出してきて、意味も嬉々として語るのだけれど、理科は用語はギリギリでも意味は混乱している感じ。
天体での、半球だとか北の空の動きだとかもそうだった。
授業を受けたとは思えない出来。
半球で、夏至だの冬至だの春分・秋分だのの軌跡の見分けはともかく、東から昇って南を通って西に沈む、とか。
北の空は星が半時計周りに回る、とか。
それくらい、授業中にどれだけぼーっとしていたって、目の前で絵で説明しているのだろうから、視覚的に覚えてしまう気がするのだけれど。
今回の単元でも、「一番印象に残ったのが表」だと、はっきり言ってちょっと困る。
あんな表は家で暗記のときや問題解きながら覚えればいいのであって、ろ過の仕方とか、酸性・中性・アルカリ性の見分け方とか、もっと強く印象に残りそうなものだけれど。
授業の質、というよりは、おそらく長男くんの気になるところと、授業中に気にすべきところが合っていないのだろう。
たしかに社会や生物なら、あーいった比較表もすぐ理解できるし、授業中にある程度覚えられたかもしれない。
でも、化学や物理の1分野は特に、そういった「単なる知識」とは別に、その場で理解すべき概念があるはず。
それは、「こういう問題が出るからこういうところを覚える」という風に問題を知ってからでないと勉強しにくいかも。
よくよく考えると理科は、社会ほど知識ばかりではないし、算数ほど概念ばかりでもない。
不器用な長男くんには、その辺の塩梅が難しいか?
うーむ、これはちょっと、理科は予習した方がいいかもしれないな。
実験が出てくるような単元なら、実験動画を見せる、とかでもいいけど。
軽くどの辺が大事、というだけでも教えてから、先生の説明を聞けるようにした方が、授業時間が有効に使えそうだ。
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