ウザめな父
引き続き長男くん視点の3日目。
起床、出発
相変わらず5時起床。
体も慣れたのか、昨日はよく寝れたのか、スッキリ目が覚めた。
体調は万全。
…父はちょっと、疲れ気味?
準備も3日目となると問題なく終わる。
今日は少し遠いところまで行かないとだけど。
道すがら、父に聞いてみる。
昨日の発表って、いつ頃に出るのかな?
「あー、昼過ぎ、だな。でも、とりあえず昨日の学校のことは忘れて、今日の受験に集中した方がいいぞ。無理なことを言っているとは思うが、なるべくな」
それは気をつける。
今日のところも志望度は高いし。
でも、ちょっとドキドキする。
そういえば、今日はあまり変なこと話さないね?
「あー、まぁ、今日はそんなに切羽詰まった感じもないのでな。昨日までも別に大したことでもなかったし」
いや、うるさかったから、もう少し気にして欲しいんだけど…。
「ふむ。しかしな、人間の目がなぜ前についているのかといえば、それは未来だけを見据えるためだぜ?」
…ウザ。
電車でも、乗っている路線や乗り換えの話とかしているうちに今日は目的駅、学校に着く。
えーと、受験が終わったら、あのあたりで結果確認したいな。
「あぁ、分かったよ。でも合流の時間次第じゃ、ご飯食べながらかもな。しかし、重ねて言うけど、今日の受験が終わるまで、そのことは忘れろよ?むしろ、落ちたとでも思っていた方がいいぞ?」
うん、昨日の学校を気にするのは、今ので最後。
しっかり受験してくるよ。
受験後の結果確認
今日の学校は、理科が微妙かな。
コレ、出来たのかな、出来なかったのかな。
他は、普通に出来たと思う。
「そうかー。とりあえず明らかに失敗したって感じの教科はなくてよかったね。明日を待とう」
うん、じゃあ、結果を見ようか。
「発表まではまだ、だな。もう少し時間を潰してからだ。ご飯食べよう」
そっかー。
昨日、やっぱり、すごくできたと思うんだよね。
これまでも、どこか出来なかったときはダメな感じの結果だったけど、出来たって思ったときは良い結果だったし。
期待しちゃうよー。
「そうか。キミはあまりそういう感覚外れないし、良い結果だといいね」
うん!
あ、まずは自分で一番先に見るからね。
「あぁ。自分の結果は、まず自分で受け止めるべきだし、入試でその姿勢はとても大切だと思うぜ」
うー、すごく楽しみ。
で、緊張するー。
そんなことを話しながら、学校からちょっと歩いたところにあるファミレスに入って、メニューを選ぶ。
「あまり、重たいものは頼まない方がいいぞ。疲れてきているだろうし、お腹がびっくりしてしまう」
となると、うーん。どうしようかなー。
「む。スマン、パパ、ちょっとトイレ。選んでていいぞ」
…なんか、急だね。
「あぁ、最近ちょっとお腹を壊し気味のようでな。急に来るんだよ。ご存じの通りにな。じゃあちょっと行ってくる」
はーい。
もし長引いても、結果見ちゃダメだよー。
「あぁ、分かっているさ。今、それどころじゃないしな。じゃ」
…切羽詰まり過ぎだろ。
さて、そんなに重たくないものか。
うーん、でもナマモノも止めた方がいいらしいし。
…大体このあたりかなぁ。
決めたあたりで父が戻ってくる。
「…よぉ、決まったか?ん、じゃあ、それでいいか。パパはコレで頼むわ」
じゃ、結果見ようか。
「おう。じゃ、合格発表サイトを開いて、昨日と同じく、ここにIDとパスワードを入れてくれ」
もうそこは、パパがやっていいよ。
「はいな。じゃあ、ポチポチーっと。はい、これで、ボタン押したら、だ」
よし!
…ふー!
えい!!
『残念なが…』
…ダメ、だった…。
「…そうか。…でも、よくやった、お前は、よくやったんだよ」
パパがボクを抱きしめて肩をポンポンしている。
え、ホントに、ダメだったんだ…。
すごく、出来たと思ったのに…。
「…あぁ、そうだね。きっと、よく出来たのは、間違いないんだろう。でもきっと、周りも出来たんだよ。問題が簡単だった、とかでな」
そんな…。
ごめん、ちょっと、よくわからない…。
「いいんだよ。無理に、考えなくて。いいんだ。今は話もしなくていい。いいんだよ」
うん…。
「あぁ。まずは、自分で、自分の結果を受け止めろ。しっかりな」
ずっと肩を抱かれて、少し、落ち着く。
そっか、落ちたんだ…。
そのうちに料理が来て、パパが「食べようか」と言う。
とりあえず食べ始める。
…味が、わからない。
どうして、落ちてしまったんだろう。
どこが、悪かったのかな…。
ずっと同じ疑問が頭を巡る。
「…さぁ、な。どこかが悪かったのかもしれないし、どこも悪くはなかったのかもしれないな。ベストを尽くしてなお、周りの方が出来たのかもしれない」
得点は、出ないのかな?
「残念だけど、2月受験の方は、あまり発表されないみたいだな。だから、何点届かなかったのかは分からない。だけど、合格最低点には届かなかったのだろう」
合格最低点は、出たのかな?
先に食べ終えたパパが、スマホをいじる。
「…少し検索したけど、まだ、出ていないみたいだな。…そんな状況じゃ納得もいかないだろうが、それでも、前を向け。まだ明日もある。まだ何も終わっちゃいない。『悲しかった、辛かった』と振り返るのは、全てを終えてから、だ」
…うん、そうだね。
「まだ、ゆっくり食べていていいぞ。ちょっと悪いけど、パパは少し席を外すね。他の学校の手続きを今日中にしておかないと、入学の資格を失ってしまう。10分もあれば、戻ると思う」
そういって、パパが店から出ていく。
あぁ、そういえば、もし落ちていたら、そちらの学校の手続きをすると言っていたっけ。
もし、落ちたら…。
落ちたんだ…。
日能研
その後、ちょうど、食べ終わったあたりでパパが戻る。
「ママにも伝えてきたぞ。さて。日能研には、お前から報告ということだったが、連絡できるか?できれば、そのまま、一度顔を出したらどうだろう?通り道だし」
うん、そうしようかな。
「あぁ、それがいい。昨日の学校の問題もパパは一応持ってきているしな。じゃあ、電話繋いだら渡すぞ」
スマホを渡されて話し始める、けど、うまく声が繋がらない?
落ちたことは報告できたけど。
すると、パパがスマホを取って、代わりに話してくれる。
「父です。それで、少し、そちらにお邪魔できないかと思いまして。…はい、では、また後程。…じゃあ、行こうか」
電車で、パパが色々話してくれる。
「難しいだろうけど、まだお前の受験は終わってない。切り替えた方がいいぜ。…オレが大学受験をしたときに唯一後悔していることがあってな。オレが受けた大学は、1年で2回受験ができて、間が10日くらい空くんだ。1回目から7日くらい経って結果発表、その3日後に、落ちたヤツだけが2回目って具合で。1年目のときにパパは、その7日間で遊びまくってしまってな。はじめの1日だけと思ったらズルズルと。そりゃあ、1回目で受かっていたら、もう受験が終わりなんだから」
うん…。
「だからって落ちたとも思わないが、合格した年はその7日間もしっかり勉強出来てな。我ながら成長したもんだと思ったもんさ。…何が言いたいかって、まだ、終わってないんだ。明日のために、動き出すべきだぜ」
そう、だね…。
「…それにな、明日の学校の方が、きっとお前は合格しやすいんだぞ。色々理由があるけど、まず…、次に…、さらには…、加えて…、おまけに…、あまつさえ…、しかるに…、とどのつまりは…」
…昨日の学校ではそんなに言ってくれなかったけど、もしかして厳しかったのかな?
「…まぁ、実際にはな。正直、厳しい戦いだろうと思っていたよ」
…だから、結果伝えた後、なんか反応が早かったの?
「…。…あぁ、そうだな…」
そんな話をしながら、日能研に到着。
改めて、先生に結果を報告する。
「うん、でも、まずは今日も受験お疲れ様。よくガンバったね。…それで、昨日のときの手ごたえは、どうだったのかな?」
どう、かな。
全教科、よく出来た、つもり、だったよ。
でも、落ちた、けど。
「そうかー。明確にどこかを失敗したってわけじゃないんだね。じゃあ、明日に向けては、そっちの学校の傾向を考えて、こんなことをしたらいいかな」
…あれ、落ちて、失敗したのに、今日は振り返りは…?
「2月は、いいかなー。それよりも、明日に向けて頑張ろう。明日で、最後だからね。今日が最後の、日能研での勉強だよ」
…うん、分かった。
「じゃあ、お父さんはー、終わったら連絡するんで、迎え来てくれます?」
「はい、近くの喫茶店でも行ってますんで」
その後は、各教科の先生が来てくれて、作戦を練ってくれた。
その途中で昨日の試験の内容も話したけど、どうやら、算数と理科で失敗していたみたい。
「それさえ出来てたら、受かってたかもなぁ、惜しかった!」と言ってもらえた。
最後に、パパともそこを頑張ろう。
家に帰ったら、教えてくれるかな?パパ。
「あぁ、もちろんだ。最後まで、頑張ろう」
うん、明日、がんばる。
頑張って、受かるよ!
「そこまで、気負わなくてもいいけどな。ただただ、出来ることをやろう。それをやりさえすれば、十分さ。お前が最後の最後まで努力した結果を、存分に見せつけてやろうぜ?」
うん!!
パパ注
ということで、2月2日の結果は残念。
正直キビしいな、と思ってはいたものの。
率直な感想を、一言だけ。
吐くほどしんどい。
私の方に何が起きていたのかは、いずれ「パパの2月3日」で書こう。
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