長男くんの2月3日

2024年2月3日土曜日

入試

ウザめな父

引き続き長男くん視点の3日目。


起床、出発

相変わらず5時起床。

体も慣れたのか、昨日はよく寝れたのか、スッキリ目が覚めた。
体調は万全。

…父はちょっと、疲れ気味?

準備も3日目となると問題なく終わる。
今日は少し遠いところまで行かないとだけど。

道すがら、父に聞いてみる。
昨日の発表って、いつ頃に出るのかな?

「あー、昼過ぎ、だな。でも、とりあえず昨日の学校のことは忘れて、今日の受験に集中した方がいいぞ。無理なことを言っているとは思うが、なるべくな」

それは気をつける。
今日のところも志望度は高いし。

でも、ちょっとドキドキする。

そういえば、今日はあまり変なこと話さないね?

「あー、まぁ、今日はそんなに切羽詰まった感じもないのでな。昨日までも別に大したことでもなかったし」

いや、うるさかったから、もう少し気にして欲しいんだけど…。

「ふむ。しかしな、人間の目がなぜ前についているのかといえば、それは未来だけを見据えるためだぜ?」

…ウザ。

電車でも、乗っている路線や乗り換えの話とかしているうちに今日は目的駅、学校に着く。

えーと、受験が終わったら、あのあたりで結果確認したいな。

「あぁ、分かったよ。でも合流の時間次第じゃ、ご飯食べながらかもな。しかし、重ねて言うけど、今日の受験が終わるまで、そのことは忘れろよ?むしろ、落ちたとでも思っていた方がいいぞ?」

うん、昨日の学校を気にするのは、今ので最後。
しっかり受験してくるよ。

受験後の結果確認

今日の学校は、理科が微妙かな。
コレ、出来たのかな、出来なかったのかな。

他は、普通に出来たと思う。

「そうかー。とりあえず明らかに失敗したって感じの教科はなくてよかったね。明日を待とう」

うん、じゃあ、結果を見ようか。

「発表まではまだ、だな。もう少し時間を潰してからだ。ご飯食べよう」

そっかー。

昨日、やっぱり、すごくできたと思うんだよね。
これまでも、どこか出来なかったときはダメな感じの結果だったけど、出来たって思ったときは良い結果だったし。
期待しちゃうよー。

「そうか。キミはあまりそういう感覚外れないし、良い結果だといいね」

うん!
あ、まずは自分で一番先に見るからね。

「あぁ。自分の結果は、まず自分で受け止めるべきだし、入試でその姿勢はとても大切だと思うぜ」

うー、すごく楽しみ。
で、緊張するー。

そんなことを話しながら、学校からちょっと歩いたところにあるファミレスに入って、メニューを選ぶ。

「あまり、重たいものは頼まない方がいいぞ。疲れてきているだろうし、お腹がびっくりしてしまう」

となると、うーん。どうしようかなー。

「む。スマン、パパ、ちょっとトイレ。選んでていいぞ」

…なんか、急だね。

「あぁ、最近ちょっとお腹を壊し気味のようでな。急に来るんだよ。ご存じの通りにな。じゃあちょっと行ってくる」

はーい。
もし長引いても、結果見ちゃダメだよー。

「あぁ、分かっているさ。今、それどころじゃないしな。じゃ」

…切羽詰まり過ぎだろ。
さて、そんなに重たくないものか。
うーん、でもナマモノも止めた方がいいらしいし。

…大体このあたりかなぁ。
決めたあたりで父が戻ってくる。

「…よぉ、決まったか?ん、じゃあ、それでいいか。パパはコレで頼むわ」

じゃ、結果見ようか。

「おう。じゃ、合格発表サイトを開いて、昨日と同じく、ここにIDとパスワードを入れてくれ」

もうそこは、パパがやっていいよ。

「はいな。じゃあ、ポチポチーっと。はい、これで、ボタン押したら、だ」

よし!

…ふー!

えい!!

『残念なが…』

…ダメ、だった…。

「…そうか。…でも、よくやった、お前は、よくやったんだよ」

パパがボクを抱きしめて肩をポンポンしている。

え、ホントに、ダメだったんだ…。

すごく、出来たと思ったのに…。

「…あぁ、そうだね。きっと、よく出来たのは、間違いないんだろう。でもきっと、周りも出来たんだよ。問題が簡単だった、とかでな」

そんな…。
ごめん、ちょっと、よくわからない…。

「いいんだよ。無理に、考えなくて。いいんだ。今は話もしなくていい。いいんだよ」

うん…。

「あぁ。まずは、自分で、自分の結果を受け止めろ。しっかりな」

ずっと肩を抱かれて、少し、落ち着く。
そっか、落ちたんだ…。

そのうちに料理が来て、パパが「食べようか」と言う。

とりあえず食べ始める。
…味が、わからない。

どうして、落ちてしまったんだろう。
どこが、悪かったのかな…。

ずっと同じ疑問が頭を巡る。

「…さぁ、な。どこかが悪かったのかもしれないし、どこも悪くはなかったのかもしれないな。ベストを尽くしてなお、周りの方が出来たのかもしれない」

得点は、出ないのかな?

「残念だけど、2月受験の方は、あまり発表されないみたいだな。だから、何点届かなかったのかは分からない。だけど、合格最低点には届かなかったのだろう」

合格最低点は、出たのかな?
先に食べ終えたパパが、スマホをいじる。

「…少し検索したけど、まだ、出ていないみたいだな。…そんな状況じゃ納得もいかないだろうが、それでも、前を向け。まだ明日もある。まだ何も終わっちゃいない。『悲しかった、辛かった』と振り返るのは、全てを終えてから、だ」

…うん、そうだね。

「まだ、ゆっくり食べていていいぞ。ちょっと悪いけど、パパは少し席を外すね。他の学校の手続きを今日中にしておかないと、入学の資格を失ってしまう。10分もあれば、戻ると思う」

そういって、パパが店から出ていく。

あぁ、そういえば、もし落ちていたら、そちらの学校の手続きをすると言っていたっけ。
もし、落ちたら…。

落ちたんだ…。

日能研

その後、ちょうど、食べ終わったあたりでパパが戻る。

「ママにも伝えてきたぞ。さて。日能研には、お前から報告ということだったが、連絡できるか?できれば、そのまま、一度顔を出したらどうだろう?通り道だし」

うん、そうしようかな。

「あぁ、それがいい。昨日の学校の問題もパパは一応持ってきているしな。じゃあ、電話繋いだら渡すぞ」

スマホを渡されて話し始める、けど、うまく声が繋がらない?
落ちたことは報告できたけど。

すると、パパがスマホを取って、代わりに話してくれる。
「父です。それで、少し、そちらにお邪魔できないかと思いまして。…はい、では、また後程。…じゃあ、行こうか」

電車で、パパが色々話してくれる。

「難しいだろうけど、まだお前の受験は終わってない。切り替えた方がいいぜ。…オレが大学受験をしたときに唯一後悔していることがあってな。オレが受けた大学は、1年で2回受験ができて、間が10日くらい空くんだ。1回目から7日くらい経って結果発表、その3日後に、落ちたヤツだけが2回目って具合で。1年目のときにパパは、その7日間で遊びまくってしまってな。はじめの1日だけと思ったらズルズルと。そりゃあ、1回目で受かっていたら、もう受験が終わりなんだから」

うん…。

「だからって落ちたとも思わないが、合格した年はその7日間もしっかり勉強出来てな。我ながら成長したもんだと思ったもんさ。…何が言いたいかって、まだ、終わってないんだ。明日のために、動き出すべきだぜ」

そう、だね…。

「…それにな、明日の学校の方が、きっとお前は合格しやすいんだぞ。色々理由があるけど、まず…、次に…、さらには…、加えて…、おまけに…、あまつさえ…、しかるに…、とどのつまりは…」

…昨日の学校ではそんなに言ってくれなかったけど、もしかして厳しかったのかな?

「…まぁ、実際にはな。正直、厳しい戦いだろうと思っていたよ」

…だから、結果伝えた後、なんか反応が早かったの?

「…。…あぁ、そうだな…」

そんな話をしながら、日能研に到着。
改めて、先生に結果を報告する。

「うん、でも、まずは今日も受験お疲れ様。よくガンバったね。…それで、昨日のときの手ごたえは、どうだったのかな?」

どう、かな。
全教科、よく出来た、つもり、だったよ。
でも、落ちた、けど。

「そうかー。明確にどこかを失敗したってわけじゃないんだね。じゃあ、明日に向けては、そっちの学校の傾向を考えて、こんなことをしたらいいかな」

…あれ、落ちて、失敗したのに、今日は振り返りは…?

「2月は、いいかなー。それよりも、明日に向けて頑張ろう。明日で、最後だからね。今日が最後の、日能研での勉強だよ」

…うん、分かった。

「じゃあ、お父さんはー、終わったら連絡するんで、迎え来てくれます?」

「はい、近くの喫茶店でも行ってますんで」

その後は、各教科の先生が来てくれて、作戦を練ってくれた。

その途中で昨日の試験の内容も話したけど、どうやら、算数と理科で失敗していたみたい。
「それさえ出来てたら、受かってたかもなぁ、惜しかった!」と言ってもらえた。

最後に、パパともそこを頑張ろう。
家に帰ったら、教えてくれるかな?パパ。

「あぁ、もちろんだ。最後まで、頑張ろう」

うん、明日、がんばる。
頑張って、受かるよ!

「そこまで、気負わなくてもいいけどな。ただただ、出来ることをやろう。それをやりさえすれば、十分さ。お前が最後の最後まで努力した結果を、存分に見せつけてやろうぜ?」

うん!!

パパ注

ということで、2月2日の結果は残念。

正直キビしいな、と思ってはいたものの。
率直な感想を、一言だけ。


吐くほどしんどい。


私の方に何が起きていたのかは、いずれ「パパの2月3日」で書こう。